ロードバイク女子「股が痛い」問題の対策方法
トライアスロンに限らずロードバイクに乗り出した女性の多くに発生するのが、「股が痛い」「お尻が痛い」という問題です。
デリケートなことなのであまり公には語られておらず、人知れず悩んでらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
私はロードバイクやTTバイクに乗って10年になりますが、これまで様々なタイプの痛みに悩まされては対策をしてきました。
また、女子サイクリストだけの相談グループを作っていて、そちらでアドバイスを頂いて試したこともあります。
痛みの種類と対策方法についてまとめます。今まさに悩んでいる方の参考になればと思います。
ロードバイク女子に起こる股の痛み(段階別)
一言に股の痛みと言っても、どの段階で発生しているかによって発生原因が異なるので対策方法も異なります。
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第1段階)乗り始め~中距離の頃の痛み
第2段階)スピードが上がる頃から出る痛み
第3段階)トライアスロン特有の痛み
それぞれ、発生する痛みの種類と原因、対策をまとめます。
第1段階)乗り始め~中距離の頃の痛み
ロードバイク乗り始めから、少し長い距離を乗るようになると感じ始める方が多い痛み。
股よりもお尻に鈍い痛みが起こるようになります。
原因:
上体を立ててサドルにどっかり座っているから、上半身の体重がお尻にかかり疲労を感じやすくなる。男性よりも女性の方がお尻の筋肉(大殿筋)が少なく、痛みを感じやすい。
対策:
・女性用のサイクルパンツを購入する
・マメに休憩をする
あまり質の良くないパッドを使っているサイクルパンツや、男女兼用のもの、またトライアスロン用のパッドの薄いものなどを初心者が履くと、サドルと身体の間のクッションが少なくゴツゴツとした痛みを感じることがあります。まずは、少し長い時間乗っても痛みがでないサイクルパンツを使うといいでしょう。
また、こまめに休憩をとったり、たまにお尻をサドルから浮かすなどして圧を抜いてあげるようにすると、痛みが出るのが遅くなる場合があります。
なお、長時間乗る場合は何分かおきにダンシング(立ち漕ぎのこと)をして体勢を変えるのは、上級者でもやっているテクニックです。
第2段階)スピードが上がる頃から出る痛み
誰かと走るようになったり走り方を教えてもらったりするようになると、上体を前傾した姿勢で乗るようになることを覚えます。これによりスピードは上がりますが、痛みはお尻から股に変わります。「坐骨周囲の圧痛」や「Iラインの擦れの痛み」が発生します。
原因:
前傾姿勢になったときの骨盤の角度では、サドルとの相性が悪いと坐骨とダイレクトに当たり強い痛みが出ます。
また、前傾姿勢になることでIライン部分がサドルに当たるようになり、ここの擦れが発生します。長い距離になるとライド中にも耐えられない痛みとなり、ライド後トイレで激痛に!
対策:
・サドルを変える
基本的には坐骨幅とサドルの相性の問題なので、「当たらない形状」のサドルに変えるのが近道です。人によって坐骨幅や位置が違うので、このサドルがいい、と勧められるものではありません。
実店舗でサドルを股に当てる、サドルを台や椅子に置いて座ってみる、だけでもだいたい分かります。しかし、それが難しいようなら「レンタルサドル」「サドル試用」をして実際に乗ってみるのがお勧めです。レンタル費用はかかりますが、ネットであれこれ買って全て合わないなんてことになるよりはマシ。
例えば神奈川のこの店舗ではかなりの種類のサドルレンタルが可能。ただし来店して本人確認が必要です。
武蔵小杉「CYCLECUBE」
私は大阪の「シルベストサイクル」で借りました。
第3段階)トライアスロン特有の痛み
トライアスロンで、特にロング(バイク150㎞や180㎞)のレースに出始めると、また違う痛みが出てきます。「恥丘や陰核の擦れや圧痛」「Iライン前部の摩擦痛」あたりが発生します。かなり辛いです。
原因:
・エアロポジションでの乗車で、サドルに当たる部分が摩擦する
ロードバイクにDHバーを設置する、またはTTバイクにすると、ロードバイクよりさらに前傾姿勢となります。結果、股の上部分(恥丘)がサドルに当たるようになり、脚の動きにより摩擦が発生します。体重が乗って圧痛が起こる場合もあります。
陰核が擦れて腫れると数日強い痛みでトイレや入浴も困難になります。
また、前傾になることでIライン上部もサドルに当たりっぱなしになり、サドルとの摩擦痛が発生しやすくなります。それにより、肌も傷つきやすくなり、雑菌の混入で腫れやおできもできやすくなるようです。
対策:
・こまめに体勢を変える
・骨盤が寝すぎている可能性があるので少し後傾にして浮かせる
・当たる部分が凹んでいるタイプのサドルに変える
・ワセリン大量塗り
・アンダーヘアー処理
まず圧痛については骨盤の前傾によるものの可能性が高いのでフラットに矯正すること。
また前部が切れたり凹んだりしているサドルも対策として有効です。
私はCobbのサドルで救われました。ちょうど痛くなるところが空いていて、圧を逃してくれます。
同じタイプだとISMがあります。こちらもトライアスリートに人気です。
そして摩擦痛対策は、「ワセリン大量塗り」が有効です。ワセリン以外にもシャーミークリームやボルダーなど摩擦低減なクリームがたくさんでているので、肌にあうものを試してみてはいかがでしょうか。
私はワセリンとシャーミークリームを併用しています。
また、摩擦軽減には「アンダーヘアーの処理」も有効です。毛が多いとそれだけ摩擦が増えてしまうので、減らしておくわけです。
しかし「剃ってしまう」はNGです。分泌物や下着で逆に肌があれやすくなりますし、剃ることも肌に悪いです。
「ベリーショート」がいいので、
・ハサミで短くカット
・線香で焼き切る
・専用のカッターで短く切る
あたりがいいようです。
これは熱で焼き切るタイプ。火傷防止機能もついています。
乗らない時にも対策が必要
このように、ロードバイクで発生する股の痛みは「圧痛」か「摩擦痛」です。
実は、摩擦痛についてはロードバイクに乗らない普段から対策が必要です。普段の生活で肌が弱くなっていると摩擦により簡単に傷ついてしまうからです。
荒れやすくなってしまう原因
・湿気
・雑菌
これらを排除すること。
具体的には、
・ストッキングを履かない
・おりものシートを使わない
・下着を清潔に保つ
などです。
「摩擦痛」を軽減する方法
摩擦については男性も同じ悩みを抱えていると思うので、もう少し深堀りしてまとめておきます。
対策としては、サイズのあったウェア、通気性を良くする、潤滑剤の使用が上げられます。
足のマメ対策と同じと考えればいいと思います。
サイズのあったウェアを選ぶ
・サイズが合っていないサイクルパンツは擦れを生みます。大きいとダブり重なりが発生しそれが擦れの原因となります。
・必要以上に厚いパッドのショーツは、脚とサドルの間に生地が挟まり擦れの原因となります。
・パッドが厚かったり生地の通気性が悪いと湿気がこもり、肌がふやけ、その状態で擦れると肌がダメージを受けて破れたり傷ついたりします。
通気性を良くする
・必要以上に大きく厚いパッドのサイクルパンツは通気性が悪い可能性があります。(異様に安いメーカーも注意)
・サイクルパンツだけでなくパッドの速乾性にも注意。だいたいのメーカーはパッドはOEMで、低価格な物はパッドでコストを下げている可能性あり。
・通気性が悪いと雑菌が繁殖しやすくなり、毛穴から雑菌が入り「おでき」をつくります。
・「おでき」ができた状態でさらに擦れたり清潔を保てなくなると膿が溜まり大きくなることも。
・通気性はショーツのみならずサドル側にも関係があります。通気性の高い素材や形状など。
・汗をかいたままにせず、長いローラー練習などでは途中で着替えるなどの対策を。
潤滑剤はたっぷり塗る
・潤滑剤、プロロード選手などは手のひら一杯のワセリンを塗り込んだりする。
・途中で馴染んで効き目が無くなってくるので、塗り直し用のワセリンを持っておく。慣れたら乗ったまま塗れるようになりますw
ロードバイク女子の「股が痛い」問題と対策まとめ
痛みの種類によって対策が異なる
サドルはレンタルして坐骨幅をチェック
摩擦はワセリンと毛の処理を試して
一言に「痛い」と言っても、いくつか種類があることがおわかり頂けたでしょうか。自分に発生している痛みがどれなのか、その原因をチェックして対策してみてください。
とにかく、痛みは我慢しないこと。
特に摩擦の痛みは我慢したら余計ひどくなるので、たとえグループライドで言いにくくても、恥ずかしがらずに言って離脱しましょう。
なお、「お尻が痛い」「股が痛い」と言うと、『ポジションが悪いんだよ』と言ってくるオジサンフォロワーはニコニコスルーでOKです。
女子ローディ&女子トライアスリートが悩みを話せるグループ
Facebookで、女子アスリートだけでデリケートな話題を話し合うグループを作っています。女性しか入れないので安心して悩みを相談できる場です。
女子サイクリスト&女子トライアスリートの部屋(秘密グループ)
※女性であることを確認してから承認しています。もし実名以外のアカウントで女性と分からない場合はお断りする可能性がありますのでご了承下さい。
以上、女子ローディ、女子トライアスリートの悩みNo.「股が痛い問題」をまとめました。ご参考になれば幸いです。
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