ショートトライアスロンデビュー戦、打ち砕かれる皮算用(オカンブログまとめ6)

トライアスロン トレーニング研究

トライアスロンを始める時に用意するもの・こと(オカンブログまとめ5)より続く

スプリントでトライアスロンデビューをなんとか果たした2012年6月、翌月にはショートのレースにもエントリーしていました。大阪トライアスロン舞洲大会、JTU公認大会しかもエイジランキング対象のポイントレースで、全国からポイント狙いの選手が集まる大会です。
もちろんそんなことを知る由もなく、単に「一番近くて自走で行ける」という理由でエントリーしていました。

どんな大会なのか調べようと前年(2011年)のレース情報を見てみると、なんと女子が23人しか出ておらず、完走者19人という規模でした(ショート)。全体330人の7%です。ここで初めて「トライアスロンの世界は女子が極端に少ない」ということを知りました。

 

出るからには完走じゃなく目標を持って臨みたい。「3時間を切る」を目標にしました。

・スイム1500m 35分
・バイクトランジット 5分
・バイク40km 78分~84分
・ラントランジット 3分
・ラン10km 53分

ショート3時間切り、マラソンで言うとサブフォーくらいかな?、と思っていました。単体で走れるペースの足し算、初心者が絶対にやる「取らぬ狸の皮算用」によれば、切れる予定でした。

 

コース自体は下調べをしていて、一度下見にも行っていたのですが、実際のレースのコース幅がどれくらいで、どれほどきついUターンがあるかなどまでは分かりません。念のため、バイクボトルを2本置いてUターンの練習をひたすら一人でやりました。

少しでもバイクの経験を積んでおこうと、自転車ショップの走行会に飛び込み参加したり、ネットで探してフィッティングを受けたり、SNSで知り合った人達に走りに連れて行ってもらったり。

今思えば、このタイミングでどこかのトライアスロンチームに入って指導を受ければよかったのですが、まだ息子が小さくて休日に長時間家を空けることは難しい。練習会に参加できなければチームに入っても意味がない、、、二の足を踏んでしまいました。
結局、練習のほとんどは早朝のローラーでした。しかし、ランで培った心肺能力と持久力のおかげか、気付けば平坦であれば33km/hくらいで40km走れるようにはなっていました。

 

スイムは相変わらず練習していませんでした。早朝に練習できないということが最大のネック。それでもなんとか本番までに2回時間をもらって近所のジムのビジター利用で泳ぎに行きました。

脂肪が多いせいか最初からそう脚も沈まなかったので、ゆっくりであれば長く続けて泳げました。この頃のペースが、だいたい100m2分10秒くらい。1500m続けて泳いで33分と言うところ。息苦しくもなく、とにかく無事に上がれればそれでいいので、これ以上練習する気にはなりませんでした。練習する時間がどうしても取れなかったのです。

 

そして相変わらずランばかりやっています。トライアスロンを始めても、自分はランが土台であってそれはゆるぎないと思っていました。
「月間300㎞」からそう減らす気にもならず、ランをやらない日にバイクを入れているだけでした。

 

そんな「ランナーの延長」で臨んだオリンピックディスタンス(スイム1500m、バイク40㎞、ラン10㎞、計51.5㎞)のデビュー戦。

2012/7/8 大阪国際トライアスロン舞洲大会 参戦記録(抜粋)

会場に付き、トランジットエリアの準備。
驚いたのが、女子選手の本気っぷり!

エアロバー装着は当たり前、トップチューブにパワーバー貼り付けてあったり、
もうペダルにバイクシューズが装着された状態のバイクもあった。
あたし、大丈夫?女子の半分には入りたいとか思ってるけど、最下位になるんじゃないの?
バイク歴4カ月ってたぶんあたし一番初心者だ、どうしよう。

バイクシューズじゃ動きにくいんで、ランシューに履き替える。
バイクシューズ、ランシューと、もう一足、サンダルか何か持っておくべきなんだね。
勉強になりました。次は必ず持ってこよう。

ゼッケンとゼッケンシールを受取って、バイクラックに戻って取付。
他のバイクを見ながら真似して準備する。
ゼッケンの付け方が分からず、隣の人に聞いたり。

知らなかったことばっかり!
できるだけ吸収して帰ろう。こんな貴重な機会、年に何回もないんだから。

【スイムパート】
8:40第1ウェーブスタート。女子は全員第2ウェーブなんで、8:42スタート。
40分から42分のその2分間が慌ただしすぎて、オタオタするだけで何もできず。
入水して、1分でスタートだった。

とにかくスイム全体をアップのつもりで泳ごう。苦しくなったらあかん。
プールなら、1500mはゆっくりでも33分で泳げる。35分目安で、ゆっくり泳ごう。
そう思いながら、ゆっくり泳ぎ出す、、、、、、、すぐ、ほんとにすぐに苦しくなった。
冷たい水が胸を締め付けて、息苦しい。横から前から後ろから、手や脚が飛んでくる。
水面が荒くてまともに泳げない。

1周750mを2周するコース。1周目の半分に行くまで何回も平泳ぎで息を整えた。
どんどん抜かされるけど、そんなことに構ってられない、焦らず落ちつこうってそればっかり考えてた。

1周目折り返し、あと半分だ!ガーミンを見た。すでに20分経ってた。
うわ、35分どころじゃないじゃん!40分かかっちゃう!!!!!

周りはもう平泳ぎしてたり止まって休憩してたりの「(失礼ながら)スイムな苦手な人」しかいない状態で
ほとんどスイムの練習をしてこなかった自分は、やはりスイムは相当遅いのだと認識する。
35分なんて目標、とんでもなかったなあああああああ、と思いながら、
最後力を振り絞って、階段を上がって、スイムアップ。
スイムラップは38分47秒でした。出走392人中241位。

【バイクパート】
よし、スタート、の前にガーミンの切り替え。間違ってLAPボタンを2度押ししてしまう。
一旦リセットしたが、走りながらはGPS捕捉はうまく取れないのは分かってたので、もうしょうがない、と半ばあきらめた。
GPS取れない状態で表示できるのは、心拍数と時刻くらい。速度も出ない。
距離が分からないから、周回は頭で数えるしかない。

走ってみて分かった。このコース、全然スピードが出せない!
スピードが出ても、その先にはすぐUターンが待ってるから、すぐ減速しないといけない。
数百メートルでまたUターン。また数百メートルで、Uターン。ちょっと直線で、また登り。
唯一のスピード箇所はエアロバーを持ってぐんぐん踏むけど、それでも30秒程度。
すぐカーブで、その先にまたUターン。

コースチェックはしてたけど・・・実際走ってみて分かった。
このコースじゃ、自分の得意な部分が全然活かせない。
40kmは71分(アベ33km/h)で走れることは確認してたし、5分程度なら巡航速度38km/hくらいはキープできるから、登りがあってもアベ31km/hではいけると思ってた。
減速・加速、登り・下りだらけで、直線がすごく短いこのコースではまったく太刀打ちできなかった。

バイクフィニッシュ。
バイクラップ、1時間31分18秒。91分もかかっている。230位。バイク得意だと思ってたけどとんでもないな。
あんなに遅かったスイムと順位が変わらないじゃない。これが現実なんだなあ。

【ランパート】
時計を見て時刻を知り、計算。もうキロ5分で10キロ走りきっても3時間切れないと分かり悔しかった。
1周5km終わって、2時間40分くらい。あと5kmを20分、、、どう考えても無理だけど、最後の登りを過ぎて最後1kmはペースアップした。
最後、前の女子を抜きたくてダッシュしてフィニッシュ。

ランラップ56分9秒。給水や水浴びタイム抜いても結局5’30ペースでしか走れてない。
ラン244位。練習していないスイムとほぼ一緒の順位。

ゴールタイム、3時間6分14秒でした。
初挑戦、惨敗で終わりました。

スタート392人中、228位でした。
女子では、スタート32人中、17位。半分に入れなかったなあ、女子でも。
これが今の実力なんだなって、分かりました。

 

と、案の定「皮算用」は何一つクリアすることなく、初ショートの目標は達成できずに終わったのでした。

しかし、初体験の大波を途中から冷静に判断したり、ガーミンが止まって距離も速度も分からない状態を切りぬけてバイクフィニッシュしたりと、「予想していなかった事態に直面してもその場で判断して対処する」ということが初レースからできていたのは、5年以上経験を積んできた今の自分から見てもトライアスロンという競技は向いていたな、と思います。そう、これはトライアスリートにとって(とくにロングでは)とても重要なスキルなのです。

 

トライアスリートは重くてもいい(オカンブログまとめその7)に続く。

次は今回の補足情報を書きます。「トライアスロンに女子が増えない理由とどうしたら増えるのか」「レースまでにどのように準備をすればいいのか(シミュレーションの大切さ)」あたりを書こうと思います。

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