心拍管理&パワーメーターのススメ
ブログ振り返り記事「初めてのウルトラマラソンとヒルクライムレース。今へ続く失敗」の補足情報です。
心拍トレーニングの実施について
マラソンの頃は心拍計を付けたり付けなかったりだったのですが、ロードバイクの世界では心拍計を付けてトレーニングするのが普通と知り、毎回付けるようになりました。
身体の状態やトレーニングの強度を知ることができるのはもちろん、目的に応じた効果的なトレーニングをするために心拍の計測は必須であると思います。ランとバイクでは心拍計を付けてトレーニングすることをお勧めします。
活用方法としては、
「同じペースや強度で運動した時に、心拍が高い低いを見ることで体調や外的条件(気温・湿度など)の影響を知る」
という運動の反応としての心拍数を見るパターンと、
「その時々のトレーニング目的に適した心拍数で運動する」
という心拍管理トレーニングのパターンの両面からの活用方法があります。
まずは前者の利用方法で、自分が走っているペースと心拍数の擦り合わせをしてみてはいかがでしょうか。
心拍ゾーン設定の仕方
後者については、最初に適切な心拍数ゾーンの設定が必要です。
ゾーン設定方法には諸説あります。最大心拍数の割合から求める方法が一般的です。
目標心拍数=最大心拍数×運動強度
-
(ゾーン設定例)
- ゾーン1:50%~60% ウォーミングアップ、クールダウン、積極的休養
- ゾーン2:60%~70% 有酸素運動、脂肪燃焼
- ゾーン3:70%~80% 有酸素運動、持久力向上
- ゾーン4:80%~90% 筋持久力向上
- ゾーン5:90%~100% 瞬発力・運動能力向上、心肺機能向上
よりアスリート向けの計算方法として、予備心拍数での計算があります。こちらの方が感覚と合う方が多いと思います。
目標心拍数=(最大心拍数-安静時心拍数)×運動強度+安静時心拍数
ゾーン設定は最大心拍数割合と同じか、割合は少し低めになります。
最大心拍数を元にしたゾーン設定の問題点は、運動の種類による心拍範囲の違いを自分で調整しないといけないことです。ランよりバイクの方が心拍数は上がりにくく、スイムはさらに上がりにくいので、同じゾーンを使うとバイクやスイムの運動強度が実際より低く出てしまうのです。
そのため、私はLT心拍を使っています。
1時間続けられる最大強度の運動をFTといい、よく使われるLT(乳酸性作業閾値)と近似しています。各種目で20分間走を行い、その時の平均心拍数からLT心拍数を出し、それに対する割合でゾーンを設定するものです。
目標心拍数=LT心拍数×運動強度
(ゾーン設定例)
<ラン>
ゾーン 1 ~ 85%
ゾーン 2 85%~ 89%
ゾーン 3 90%~94%
ゾーン 4 95%~99%
ゾーン 5a 100%~102%
ゾーン 5b 103%~106%
ゾーン 5c 106%~
<バイク>
ゾーン 1 ~ 81%
ゾーン 2 81%~ 89%
ゾーン 3 90%~93%
ゾーン 4 94%~99%
ゾーン 5a 100%~102%
ゾーン 5b 103%~106%
ゾーン 5c 106%~
心拍トレーニングについてはここでは書ききれないので、過去読んでよく纏まっていると思った心拍トレーニング特集のTarzan(2012年)を紹介しておきます。まだ売っているといいのですが。
心拍計は、私はランニングダイナミクスが見られてスイムも対応しているガーミンのHRM-TRIを使っています。
高価ですが、ベルトが柔らかく違和感がないのでとても気にいっています。電池交換も簡単です。
また、使用しているGarmin ForeAthlete 945が手首計測に対応しており、ほぼ計測のエラーもないのでスイムとバイクは手首のみです。
運動強度の管理について
運動強度は心拍数で計るほか、バイクではパワー、ランとスイムではスピードで計測することができます。
心拍は身体の状態やストレス状態、気温、湿度などの外的要因によって大きく変化することがあるのと、トレーニングシーズンが進んでいくと心肺機能が上がり心拍が上がりにくくなるため、同じゾーンでも同じ負荷にならないことがあります。
そのため、より効果的にゾーントレーニングを行うために、パワーや速度で設定することもできます。
パワーや速度でのゾーン設定についてはこちらで紹介しています。
TTB解説(4)成果を出すためのトレーニング強度(ゾーン設定編)
こちらは全文英語ですが、数字と%の表があります。
http://www.trainingbible.com/joesblog/2009/11/quick-guide-to-setting-zones.html
なお、パワーゾーンの利用にはパワーメーターが必要ですが、これはレースのペーシング(ペース配分を行うこと)にも非常に有効で、特にロングトライアスロンにおいては反則並みに効果があります。初心者だから必要ない、ではなく、実は初心者にこそ利用効果の高いツールであると考えます。私はロングトライアスロン5年目で導入しましたが、導入の効果はレースに現れ、バイクを前年と同じタイムで走ったところランを40分短縮できました。もっと早く導入しておけばよかったと思っています。
私が使っているのはパイオニアのパワーメーター。左右でペダリング効率なども見られるものですが、実際あまり活用できていないです^^;パワー計測だけなら片方だけでも可能です。5万円で導入できます。(まもなく発売中止になるので在庫のみ。)
海外通販などでセールをやっていることもありますし、マメにチェックしてみてはいかがでしょうか。
人気記事 「トライアスロンは痩せますか?」への答え
人気記事 社内にトライアスロン部・サークルがある会社【社長が部員な会社も!】
« 高強度練習が先「リバース・ピリオダイゼーション」での組み立て方 トライアスロンを始める時に用意するもの・こと(オカンブログまとめ5) »