女性のバイオリズムと運動パフォーマンスの関係【レースに生理があたりそうなら?】
※今回は女性アスリート向きの内容ですが、男性の方もどうぞお読み下さい。
こんにちは、るみおかんです。
(@rumikotubuyaki)
毎日運動しているので、体調の変化には敏感な方です。
肉体疲労や睡眠時間だけじゃなく、確実に影響あるな~と感じるのが生理の前・中・後の波。生理中は身体が重い、というだけでなく、生理前も調子悪いんですよね。
そんな、女性特有のバイオリズムについて、運動パフォーマンスに与える影響を調べました。
1.「バイオリズム」ってなに?
2.女性のバイオリズムをざっと解説
3.女性のバイオリズムと運動パフォーマンス
4.どのようにトレーニングを調整するか
5.レースに生理が当たりそうなときは
6.女性のバイオリズムとパフォーマンスまとめ
「バイオリズム」ってなに?
バイオリズム(biorhythm)とは、bio(生物・生命)のrhythm(規則的運動)。一定周期で体に現れる波、と思っておけばいいでしょう。
例えば、
- およそ8時間に1回の周期で食欲がある
- およそ24時間に1回の周期で眠くなる
- およそ28日に1回の周期で生理が来る
など。
このバイオリズムに逆らったり逆転すると調子が悪くなる、または、体調が悪いとバイオリズムが崩れる、というようなことは皆さん経験があると思います。
女性のバイオリズムをざっと解説
睡眠や食欲などは男女でそう違いはないですが、生理は女性にしかない。そして、女性のバイオリズムは、この生理に大きく影響を受けています。
女性のからだは、ホルモンバランスの変化によって、卵胞期、排卵期、黄体期、そして月経という4段階の周期があります。
この女性ホルモンは、卵胞ホルモンのエストロゲンと、黄体ホルモンのプロゲステロンの2種類。月経の周期は人によって20~40日と個人差がありますが、基礎体温を記録すると自分の女性ホルモンの周期やリズムがつかめるようになります。
- 月経期・・・生理痛や頭痛、吐き気、倦怠感など様々な不調
- 卵胞期・・・身体も気分も好調に!活動的な1週間
- 排卵期・・・下腹部の不快感や違和感、気分が落ちていく
- 黄体期・・・心も体も不安定に。浮腫み、イライラ、攻撃的
こうして見ると、4週のうち2週は不調、1週が好調、1週は下り坂、という配分なんですね。
そして、この傾向は女性の年齢によって変わります。
女性ホルモンの分泌量は20代後半から30歳がピーク、以降30代後半から激減して上記傾向が強く現れます。
私は40歳を過ぎてからの急激な変化に驚きました。具体的には、黄体期(生理前)の精神状態がものすごく悪くなったのです。全てのことが悪く思え、些細なことで大声を出して怒ってしまう日が月に2日ありました。
女性のバイオリズムと運動パフォーマンス
では、このバイオリズムは、運動のパフォーマンスにはどのような影響を与えるのでしょうか。
国立スポーツ科学センターの研究より抜粋:
女性アスリートのコンディショニング-月経との関わり方-
16名の運動選手にトレッドミル走による酸素摂取量の測定を行った研究では、最大酸素摂取量は黄体期でやや悪化した。
女子スポーツ選手30名が2~3ヶ月間毎日基礎体温と筋力測定を行ったところ、正常月経周期の選手の多くは卵胞期や排卵期に筋力が増大したが、中には全く変動のない選手や、月経期に大きくなる選手もいることが分かった。
と、バイオリズムによりパフォーマンスの変化が見られること、しかし傾向は個々人により異なるということが分かっています。
一様に当てはめられる法則はないので、選手個々人が自分のパターンを把握するのが近道のようです。
過去、私も自分のバイオリズムの影響を知ろうと日記を確認してみたことがあります。
手帳の体調メモからパフォーマンスを×△○で拾ってみたのがこちら。
私の場合黄体期の入り始めくらいまでは悪くなく、黄体期後期に入ると調子が悪いようでした。精神状態が悪化しイライラ、身体が浮腫み重く感じる、動きたくなくなる、実際に息切れも感じる、などです。
生理中は息切れが強いです。2日目3日目は明らかに調子が悪く、階段を上るのも辛いほど。
パフォーマンスのデータも見てみます。
だいたい同じペースで走ってる日で心拍数を比較しました。
①卵胞期(AM5:30~ホームコース)
②排卵期(AM7:00~ホームコース)
③黄体期前期(AM5:30~ホームコース)
④黄体期後期(AM9:40~マラソン大会)
⑤生理中(4日目)(AM6:30~ホームコース)
一番安定しているのは卵胞期で心拍数が低めです。
②③は心拍数は高いのですが少しペースも速めです。テンションが高く「調子良」と手帳にメモってました。
④は他の要因(時間が遅く気温が高い、大会で興奮状態にある)が大きいのですが、最初から160bpmなのでもう明らかに体調が悪かったと思います。
⑤は①や②に比べるとペースの割に心拍数が高目です。
このサンプルでは、
①卵胞期~③黄体期前期を標準とすると、
④黄体期後期は心拍数10~15アップ、
⑤生理中は心拍数5~10アップ、
というところでしょうか。私の場合、10上がると発汗量も増し、主観強度はかなり上がります。
同じペースで主観強度が上がっているので、黄体期後半と生理中はパフォーマンスは低かったといえると思います。
みなさんも、このように過去のデータやトレーニング記録からバイオリズムの影響を拾ってみてください。
多くの数値を取るのは面倒ですが、ガーミンと心拍系のデータに、主観強度と生理日をコメントで記録しておくだけでも後から役立ちます。
どのようにトレーニングを調整するか
では、バイオリズムに合わせて、どのようにトレーニングを調整すればいいのでしょうか?
基本的には、
・調子の良いときに高強度のトレーニングで天井を上げる
・調子の悪い時は無理をしない
と、メリハリをつけるのがいいでしょうね。
私は、3週のトレーニングと1週のレスト週がちょうど生理周期と合うように設定しています。生理の週=レスト週、にします。
このようにしてから、息切れがする時に強いトレーニングをしなくてよくなり、ストレスが減りました。毎月、「ああ、今週レスト週でよかった」って思うタイミングがあります。
逆に、生理が終わるとレスト週明けで脚がフレッシュなこともありスピードやパワーが上げやすいので、強めに頑張ります。
低用量ピルで周期を完全にコントロールしているのでできる技かもしれませんが、そうでなくとも「生理がきたらレスト週にする」などと決めておくのも手ではないでしょうか。
レースに生理が当たりそうなときは
よく聞く女性アスリートの悩みが、「生理がレースに当たりそう」という声。
私は過去2回、レースと生理が当たったことがありますが、かなり調子が悪かったです。
それにレース中にトイレ行くの嫌ですよね・・・。生理用品持って走るのも辛いし。
女性アスリートだけのグループで聞くと、かなりの方が低用量ピルで生理日をずらした経験があるそうです。
1か月だけだと、初期の頭痛や吐き気があることがあるので、3か月前くらいには婦人科に相談に行くといいでしょう。
こちらの婦人科のサイトの解説が分かりやすいです。
ジャスミンレディースクリニック
なお、ずらす場合は「前にずらす」方がいいです。なぜなら、遅らせている間がずっと低調子だから。生理が終わってからレースの方が調子が上がりますしね(私の場合)。
女性のバイオリズムとパフォーマンスまとめ
ホルモンバランスにより調子が上がり下がりする
パフォーマンスも影響を受けるが個人差が大きい
自分のパターンを知るためにログを取ろう
レースに生理が当たりそうならずらせますよ
女性のバイオリズムと運動パフォーマンスについてご説明しました。年齢によっても大きく変わるので、定期的にチェックするのがお勧め。
私はガーミンとガーミンコネクトで残しています。最近のGarminは手首で心拍が取れて起床時心拍が自動で取れるし、管理ツールで生理日の記録もできるようになっています。
運動時にだけ使うのではなく、日常的に使っていると睡眠の深さや体調も分かってとても便利!
私はGarmin Foreathkete 945を使っています。
また、Facebookで女性トライアスリート&サイクリストがこのような悩みを共有できるグループを作っています。現在は情報交換は活発ではありませんが、過去に生理やアンダーヘアーの悩みなどの話題で投稿されていますので読むだけでもご参考になると思います。
Facebookアカウントがあり、女性であるとお名前や写真で確認できる方のみ承認しております。どうぞ申請なさってくださいね。
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