TTB解説(10):疲労回復の知識と実践(後編)

トライアスリートトレーニングバイブル解説 トレーニングピークス解説 トレーニング研究

続きです。

前回、回復に重要なのはなにより睡眠と食事とありました。そこにプラスできる回復策について書いていきます。

アクティブリカバリー

積極的休養、回復走、などと言われます。軽いエクササイズをすることで血流を促し、疲労回復を早めるというものです。

しかし、これが効果的となるのには条件があります。体力が高い状態である、ということです。
アスリート経験で言うと概ね3年以上、期では体力が向上してきている基礎期後半・強化期・ピーク期には効果的です。

アクティブリカバリーを実践する時には、「イージーな練習をしなければならない」と心に強く決めて始めなければいけません。いつもの練習より短く、ゾーンは心拍もパワーもスピードも1であること。主観強度でもです。これがブレないように、誰かとの練習はせずたった一人でイージーをキープすることです。

練習の種類はスイムが一番です。バイクやランで脚が疲れているならプルブイを使用します。
次に適すのがバイク。平坦コースかローラー台を使って。
ランはストレスが多く積極的休養には適しません。長いランニング経験があり一度も故障したことがなければ、柔らかい路面を使って短時間であれ可能です。

 

「回復走」と口にする人は多いですが、厳密にやればそう気軽なものではないことが分かります。心拍計にアラート機能をセットし、ほんの20分程度。実際にやってみると、TSS(トレーニングストレススコア)が1桁になりました。そうでないと回復どころか疲労を積んでしまうということです。

health

アクティブリカバリーをトレーニング計画に組み込むのは難しいと思います。組み込むと練習しようとしてしまうからです。あくまでも、計画外に、ラジオ体操レベルでやるのでいいのではないかと思います。

 

その他の回復策

・温水と冷水を交互に当てる(血管の収縮と拡張により血流が促されます)
・音楽を聴く
・脚を高く上げる
・フォームローラーを使う
・マッサージ
・ストレッチ
など

全て、睡眠や食事の影響に比べれば微々たるもの。
1時間高いお金を払ってマッサージに行くくらいなら1時間睡眠を取った方が効果が高い。どうしても取り込むなら最もストレスの大きな練習の後に。

タイツやカーフガードなどのコンプレッションウェアの着用は回復に効果があります。その強力版ともいえるエア加圧式のマッサージャーなども試してみるといいでしょう。

 

ここを読んで、あっ、それ持ってる!と思ってエアマッサージャーを押入れから出してきました(笑)
カーフガードは、トレーニング中だけでなくトレーニング後や仕事中にも着用しています。時間をかけず効果が期待できるならありがたいです(^^)
 

 

回復計画

トレーニングで重要なことは、ハードな練習の後に休養とリカバリーを通じて身体を適用させることです。
レストにより、筋力と持久力を改善し、一回拍出量が向上し、筋肉の血液容量が大きくなり、心臓は多くの酸素とエネルギーを運べるようになります。酵素が増えることで持久力に貢献し、グリコーゲンが再補充されて次の練習をよりハードなものにできます。頻繁に定期的に休養とリカバリーを取ることが、結果として大きな効果をもらたすのです。一番大きなミスはレストなしにトレーニングを続けてしまうこと。トレーニングの質が下がり、疲労が続き、結果としてレースパフォーマンスを下げてしまいます。

また、よくあるミスとして、イージーであるべき日に強度を上げてしまうということもあります。一見、平均値が上がりうまくいったように思う調整ですが、これも間違いです。イージーな日はイージーでなくてはいけません。

 

レスト週の組み立て方

3週か4週おきに「レスト週」を置きます。この週はトレーニング時間やTSSを計画的に下げます。

レスト「週」としていますが、7日とは限りません。アスリートとしての経験レベル、現在の体力、その期でどれだけハードなトレーニングをしたかによって調整します。概ね3-5日と考えればいいでしょう。

レスト週に、1日は完全休養の日を作ること。また1日1種目にするのが望ましいです。通常練習の種目数より減らすこと。

レスト週の最後2日をテストに当てます。その前5日で休養し準備ができているのでテストに適しているでしょう。テストの数と種類は自分で決めるといいのです。やらないという選択もOKです。

 

これ、3版に書いてあったっけー!!!??と思って3版を見返しましたが、全く書いてません(笑)思いっきりレスト週の週ナカにテスト入れる例を書いてますね(笑)
ランとバイクはともかく、スイムは1000mTTがあったりと全く低強度ではないので「レスト週なのにテストがあると休めない!」と思っていたのです。4版で改善してくれました(笑)

 

必要に応じたリカバリーを

トレーニング計画になくとも、必要と判断したらリカバリーを取らないといけません。

朝のモニタリングチェックで、疲労や筋肉の状態が限界に達していると分かったら休養を取るべきです。しかしこれに気づくかは経験が物を言います。自分の身体のシステムや反応に普段から注意を払っていないとできることではありません。

 

以上です。3版にはいろいろとリカバリー策が書いてあったのですが、非常にあっさりになりました。
「トレーニングを休む」「睡眠を取る」「栄養を摂る」以上の効果がないということなのでしょう。

 

この後は、
・スキルとそのトレーニングの解説
・ウエイトトレーニングの知識とそのメニュー
・トレーニングメニュー例
のみです。
内容によってはまたご紹介いたします。

 

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