TrainingPeaks(有料版)を使ったトレーニング計画の作り方
TrainingPeaksを有料版に上げましたので、目標レースを設定してATP(Annual Training Plan/年間トレーニング計画)を作ってみたいと思います。
用語などはこちらで解説していますので先に見ておいてください。
[clink url=”https://rumiokan.com/?p=867″]
最初に「ATP」タブをクリックすると、計画を作成するか聞いてきますので先に進みます。
トレーニング計画は3パターンから選択できます。
①「時間管理」
週間トレーニング目標を「時間」で設定するパターンです。「初心者向け」とされています。トレーニングストレススコア(TSS)を考えず、時間の積み上げで管理します。
②「TSS管理」
週間トレーニング目標を「TSS合計」で設定するパターンです。「中級者向け」とされています。週の平均TSSを設定すると、そこからハード週とイージー週の目安TSS値が設定されます。
③「CTL管理」
目標レース当日のCTLを設定し、現在のCTLとそこまでの期間から毎週の目標TSSが設定されるパターンです。「上級者向け」とされています。
①だとTrainingPeaksの利点が生かせません~!もったいない!②のTSS管理を選んで作ってみます。
期間は半年以上で設定する必要があります。任意の日付を指定して期間を設定できます。2017年の最初の週から最後の週までに設定しておきました。
現在の体力レベル(Current Fitness)を指定します。
Weak(弱い)を選ぶと、基礎期の期間が長くなり、Strongを選ぶと基礎期3クール強化期2クールで設定されるようです。
オフシーズンもトレーニングを継続していたかどうかで判断してはどうでしょうか。
サイクル(Recovery Cycle)を設定します。通常はビルド3週レスト1週の組み合わせですが、回復が遅い人や全くの初心者の場合は2週+1週の3週サイクルに設定するといいでしょう。
スケジュールパターンをTSS管理にしている場合は、ここで週平均TSSを設定します。
(?)を押すと、ターゲットレースの長さ別に週間TSS(や時間、CTLも)の目安が参照できます。
TSSをどれくらいに設定すればいいかが最初に分からないと思いますが、だいたい週のトレーニング時間を目安にして対応するTSSの数値を当てはめればいいと思います。
しかし、このアイアンマン向け数値は相当厳しいです(^^;
週に15時間が最低レベル。週に30時間なんてどんな市民アスリートですか!(笑)
私は経験上、週平均13時間程度(ハード週15-16時間、レスト週11時間くらい)が実施可能な範囲なので、ハーフアイアンマン向けの最小値から平均週TSSを700に設定しました。
スタート時点のCTLを設定します。これを知るには最低でも6週間分のデータ入力が必要です。ガーミンなどからトレーニングデータを取り込んで、現時点のCTLを表示し、それを入力しておきました。
CreateATP、を押すと、スケジュールが作成されます。
スタート時点からターゲットレース日までの期分けを行い、それぞれの週に指定した週間TSSの数値を分配して各週のTSS目標、CTLの上昇値、計画どおり進んだ場合の各週時点でのCTL、TSBが表示されます。
カレンダーの方にも、期と目標TSSがコピーされます。
これを参考に、トレーニングを組み立てていくということになります。
スケジュールパターンを「TSS管理」とすると、自分が積み上げ可能と思われる量と期間からレース時のCTLを算出します。
今回、スタート時のCTLを57、6か月後のレースを設定し、週目標TSSを700と設定しました。レース時点のCTLはどうなってるでしょうか。
CTLが最大化されるのは強化期2の3週目で94.4、そこからテーパリングを行ってレース週は83.9となりました。Form(調子)は15.1です。
前述の「レース距離別の目標CTL」を読み取ると、アイアンマンは95以上となっていました。つまりこれではちょっと心もとないようです(笑)
しかし、例年これくらいのトレーニング量で来ていますし、むしろ多いと言われるくらいなので、ちょっと設定が厳しいかなと思います(^^;
ちなみに、上級者向けのCTL管理で「レース週のCTLを100」にしたらトレーニング計画がどうなるのでしょうか。
一旦ATPを削除してCTL管理で作りなおしてみます。期間やターゲットレースは同様です。
レースの目標CTLを100に設定します。
ATPを作成すると・・・
CTLが最大化されるのは同じく強化期2の3週目で117、そこからテーパリングを行ってレース週は105となりました。Form(調子)は19。
しかしそこに至るスケジュールは過酷です(笑)
基礎期が週700-800TSS、強化期1は毎週880、強化期2は950に設定されています。
これがどれだけキツい数字かを説明すると・・・・
私が日常的に行っているトレーニングスケジュール、週6日、10回、週11時間のトレーニングで、ポイント練習3回のパターンだと、だいたいTSSは600くらいになります。
これだと「レスト週」にも届きません(笑)
週TSSが800として配分例を考えてみると、
月~金:1日100で500TSS
土・日:150TSSずつ
TSS=IF(トレーニング強度:LT強度が1.0です)の二乗×時間(h)なので、100TSSは
・LT走10分×6セットや20分3セット
・テンポ走(LT強度の75%くらい)で2時間
・LSD(FTPの50%強度)で4時間
というかなりのヘビーなもの。こんなん毎日できるかいっ(笑)
なお、高強度練習にしても、アップやレストタイムを含めての計算になるので、インターバルは必ずしもTSSは高くなりません。
まあ2部練にすれば50+50で結構すんなり達成できる数値なんですが、毎日2時間はトレーニングに使えないと厳しいです。
かなりの負荷に耐えられる体力を持った選手か、かなり時間とさける人でないと、週800TSSはこなせないと思います。
まずは自分の過去のトレーニングデータを入れて、だいたいの週TSSを計算してみてはいかがでしょうか。いかに高い目標値を設定しても実施できないプランには意味がないですもんね。
ATPができたら、この週別のTSS目標を目安として、何をやるかのトレーニング予定を入れていきます。
メニュー例が登録されているのでそれを選択してもいいですし、新規で種目を追加して予定TSSを設定しておくこともできます。予定を入れるとその計算もしてくれて、予定通りに練習できるとCTLがどう変わっていくかを確認することができます。(点線が予定です)
ただし、ここをどう組み合わせていくかがノウハウであり、各選手のリミッター(弱点)や回復力次第で全然変わってくるわけです。
お金に余裕のある方はプロやトレーナーからプランを購入するのがいいと思いますが、それも実行できなければ意味がない。Triathlete’s Training Bible第4版には、この組み立て例についていくつか記載がありますので、それを参考に自分の調整可能な時間や過去のトレーニング量から考えて組み立ててみてはいかがでしょうか。
またそのあたりまで読み取れたら解説します^^ゞ
以上、TrainingPeaks(有料版)のATP作成機能を使ったスケジュールの作り方でした。
お買い物はこちらから入って頂けると嬉しいです!!!(^人^)
人気記事 「トライアスロンは痩せますか?」への答え
人気記事 社内にトライアスロン部・サークルがある会社【社長が部員な会社も!】
TrainingPeaks Triathlete's Training Bible
« TTB解説(5)トレーニングシーズンのはじめにやるべきこと TrainingPeaks(トレーニングピークス)の初期設定解説 »