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スポーツ大会運営マニュアル作成講座(サンプル1)重要なのは「設計」

スポーツ大会運営に関わる方、スポーツイベント企画担当者、スポーツ業界への就職を目指す学生さんなどに向けて、「スポーツ大会の運営マニュアルの作成講座」というテーマで何回か書いてみたいと思います。

私は「スポーツ大会運営」についての経験は多くありませんが、ここについての経験が少なくても、マニュアルは作れます。なぜなら、マニュアルを作るためにやるべきことを把握しているから。業種業務は関係ありません。

ただし、既に確立された業務がありそれを新人さんに覚えてもらうためのマニュアル作成と、業務がどうあるべきかを考え設計し、その結果のドキュメントとしてのマニュアル作成では、やるべきことはかなり違います。

前者は今ある業務を把握して整理して、分かりやすい手順書としてまとめてあげるだけでいいですが、後者はその業務を取り巻く関係者へのヒアリングに始まる要求の整理から始まり、関係者と調整しながら業務のやり方を設計し、目的や期待する効果を含め関係者それぞれのレベル感に合わせた資料に落とし込む必要があります。

スポーツ大会運営マニュアルは、後者です。マニュアル完成までに必要とされるスキルは文章力だけではなく、「ヒアリング力」「仮説力」「分析力」「設計力」などが求められます。

おおげさな〜と思われるかもしれませんのでケーススタディ。
例えば、最も簡単な「荷物預かり」業務を考えてみます。

目的:選手から荷物を預かって、返却する。

これが達成できればいいので、預かる場所と人がいれば実現できます。

しかし実際にはそうではありません。コインロッカーのように枠や鍵があって番号がついているわけではないので、誰の荷物なのか分からないといけません。荷物を識別する仕組みが必要です。

さらに、預かるのに手間がかかっていたら選手がスタートに遅れます。素早く待たせずに預かる仕組みにしなくてはなりません。

荷物を袋に入れる?入れるなら袋をどうするか?費用は?予算は?荷物預けがどれだけ需要があるか?テントはどれくらいの大きさ?

様々な「制約」(人、物、金、時間、場所)を考えて、最終的な荷物預かりの形態や業務が決まります。
この設計作業をせずに、「テント一機と担当者2名、荷物を預かって、返却する」としても、何ら機能しないばかりか、荷物の取り違いトラブルや、時間がかかってクレーム、ボランティアがパニックになる、ボランティアからの本部への問い合わせがひっきりなしに起こる、など、当日のトラブル要因となってしまうのです。

全ては、まず「設計」です。

(設計の前に、「全体計画」があるべきなのですが、ここでは飛ばします。)

この設計作業のためには、経験が必要なように思いますがそうではありません。必要なのは【選手の視点】と、【その業務を行う人の視点】を持つことです。

【(様々な)選手の視点】
・自走で行くから自転車以外の全てを預けたい
・スタートギリギリまで上着を着てて直前に預けたい
・スタート前に並びたくない
・間違えずに返して欲しい
・素早く返して欲しい
・スタートからあまり遠いと裸足で歩くのは嫌だな
・雨でも濡れずに置いてて欲しい
・来てすぐ預けたい
・ゴールしてすぐ引き取りたい
・帰るギリギリまで預かって欲しい

【業務担当者の視点】
・預かって並べていくだけがいい。ナンバー書いたりは間違えそうで嫌だ。
・荷物を探しやすいようにナンバーは大きいのがいい
・荷物に直接貼るのは剥がれるから嫌だ
・並べやすいようにナンバーで置き場所が決まってるといい
・狭いと並べにくいし探しにくいから充分な広さが欲しい
・預かりも返却もない時間は座ってたいな
・待たせたくない。待たせたら怒られそう
・間違えずに返却したい
・並べる棚があったらいいな

そしてここに、さまざまな条件(制約)が関係してきます。

・会場の関係で置けるテント数が決まっている
・テントのレンタルコスト
・ボランティアさんにかかるコスト
・棚や机のレンタルコスト
・選手に荷物預かり袋を配布するコスト
・選手に荷物預かりステッカーを配布するコスト
・ステッカーにナンバーを印字しておくコスト
・大会として盗難トラブル防止のためできるだけ預かるべき、という方針
・フィニッシュやスタート付近に置くテントの優先順位

などなど。

選手視点の要求と、業務側の要求と、制約。
これらを整理して、どのように行うかを決める、これが設計作業です。

荷物預かりだからシンプルですが、これが競技に関わることになってくると「ルール」「安全性」「平等性」などの観点が入ってきます。

選手視点は、思い出す、想像する、などで思いつく人は多いでしょう。業務担当者側が分からないと言う人は、これまでそのような視点で見てこなかったということ。今後は大会に出る度にあらゆる部門の観察をしてみるといいでしょう。観察のためだけに、出ない大会に行ってみてもいいほどです。

しかし想像しても観察しても今までなかった観点は抜けますので、抜けを防止する考え方や手法は存在します。

基本は、5W2Hを整理する、ことです。

WHY(何故それを行うか、目的)
・選手がレースに使わないものを預かる
・選手の利便性向上
・防犯トラブル回避

WHO(誰が)
・(利用者)預けにくるのは誰か?
・(対応者)預かるのは誰か?
・想定している利用者以外が来る可能性は?
・預けに来る人と受け取りに来る人が違うことはあるか?
・リーダーは必要か?
・審判の判断が必要か?
・運営をコントロールする人は必要か?

WHERE(どこで)
・選手の動きのどこにあれば同線はスムーズか?
・スタートからの位置は?
・フィニッシュからの位置は?
・他のテントとの位置関係は?

WHEN(いつ)
・預けに来るのはいつか?
・受け取りに来るのはいつか?
・預けてから取りに来ることはあるか?
・いつまで預かるか?

WHAT(何を)
・何を、預かるか?
・何を、預からないか?
・預かるために、必要なものはなにか?()備品や設備)

HOW(どのように)
・荷物と選手の突き合わせの仕組みは?
・そのために荷物は何で識別する?
・選手は何で識別する?
・識別は作業担当者だけでいい?1名?2名以上の確認?選手に読み上げてもらう?

HOW MUCH(どれだけ)
・想定される荷物量は?
・それを預かるために必要な面積は?テント数は?
・そのテント数に応じて何人必要か?
・単位時間に何人預けに来ると想定されるか?
・一人あたりの預かり処理時間は?返却処理時間は?
・選手を何人以上並ばせないようにするには、何人のボランティアが必要か?

これら、業務を考える上で必要な観点を洗い出しすこと。自分だけで分からないことは、過去その業務を担当した人や、その業務に近い仕事をしている人の意見も聞き、もれなく洗い出していきます。

そして、それらの優先順位をつけ、制約条件を検討に入れながら、最適な業務のありかたを設計していきます。設計のしかたは次回で。そのあと、言語化(文書化)のしかたまでは説明してみます。

これら業務を、部門ごとに。一部門の範囲が広ければさらに分割してエリアごと行います。
膨大な作業量のようですが、実は一度やってしまえばほかの大会にも八割方観点は使えるので、しんどいのは最初1-2回です。以降は、相違点だけを拾って対応していけばいい。

  • とはいえ、そんなこやってる時間がない、やり方が分からない、という方は、どうぞ弊社(コンサル会社)経由でオカンに発注して下さい(笑)個人で受けても対応する時間がないからwww

次は業務設計のやり方をさらっと書きます。

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