トライアスロン大会で起こりうるトラブル【知って対策しよう】
こんにちは、るみおかんです。趣味でトライアスロン始めてもうすぐ10年です。
(@rumikotubuyaki)
今日はちょっと怖い話をまとめます。
トライアスロン大会中に起こるかもしれないトラブル集です。
脅すつもりはないですが、リスクの高いスポーツであるということも知って欲しいので、ぜひ最後までお読みください。
知っておくだけで防げることもあります。
1.トライアスロン大会で起こりうるトラブル
2.トラブルをどうやって防ぐのか
3.トラブル・事故防止は選手の努め
4.トライアスロン大会でのトラブルまとめ
トライアスロン大会で起こりうるトラブル
トライアスロン大会で起こりうるトラブルを種目別に説明します。
スイムでのトラブル
まず、スイムで起こるトラブルです。スイムが一番怖いと思いますが、練習で同じ状況を作れないので対策が難しいですね。
せめてどんな事が起こる可能性があるのか把握しておきましょう。
- パニックになる
- 呼吸困難になる
- 殴られる・蹴られる
- 大量に水を飲む・誤飲する
- 足が攣る
- 酔う
- 方向を間違える
- 流される
パニックになる
スタート前、スタート直後、泳いでてぶつかった時、コースがわからなくなった時、いろんなタイミングで「パニックになる」を多くの人が経験しています。
初心者に限らず、ベテランでもです。
パニックになった時は、とにかく掴まれる物があれば捕まる。ロープでもブイでも。なければ顔を上にして浮くこと。止まること。
脚を動かせば動かすほど心拍が上がり、もっとパニックになります。
呼吸困難になる
水圧、ウェアやウエットスーツがきつい、緊張、低水温などにより、呼吸困難を感じることがあります。
パニックと同じく止まること。落ち着くこと。上を向いて丁寧に息を吐いて吸う。吸うことばかり意識すると入ってこなくて焦ります。吐く。
胸が苦しいなら首から水を入れて圧を緩めます。
殴られる・蹴られる
近くの選手の手や脚が強く当たり、酷いケースでは脇腹が折れたという事例もあります。
ある程度は当たるものと覚悟しておくこと。無理だと思ったら最初から回避すること。
外を泳ぐ、ブイは大回りする、など。
私はブイ周辺は危険なので一時的にペースを上げます。平泳ぎする人に蹴られるので。
大量に水を飲む・誤飲する
吸おうとしたときに波をかぶったりして海水を飲んでしまうことがあります。
まず、水を飲む可能性の高い息継ぎをしないこと。ヘッドアップと同時に呼吸をしない、プールより上下動を大きくして確実に口を水面に出す、など。
気管に入ったら無理して泳ぎ続けないこと。最悪重症化することもあります。苦しいまま泳ぎ続けない!
足が攣る
低温でも高温でも、長くなれば脚は攣ります。攣るものだと思っていてもいいくらい。
攣ってもプールのように止まって対象できませんから、脱力して治るのを待つしかありません。
足関節グリグリ回して悪化したことがあります。とにかく脱力。
酔う
波が大きい時は酔う人もいます。酔い止めの服用をする方もいるそうです。
波に身体を任せすぎると酔うので、乗る時とくぐる時の判断で軽減できるのですが、いかんせん練習ができません。
多くの人が酔うほどの大波だと、スイム中止や距離短縮になることもあります。
方向を間違える
ブイを曲がった直後など、どちらに行けばいいか分からなくなったり、曲がる角度が浅くて遠くに行ってしまう事があります。
とにかくヘッドアップで方向確認。ブイの前、回ってる最中、回った後、はヘッドアップの回数を増やして対応します。
本当に分からなくなったら止まること。止まれば他の人の動きが冷静に見えるし、ライフセーバーさんが方向を指してくれることも。
流される
まっすぐ進んでいるつもりが流されて遠くに行ってしまったり、コースを大きく離れていたということもあります。
これもヘッドアップで方向確認が一番の解。周りに人がいるからと言って安心しないこと。相手もあなたがいるから安心して泳いでるだけかもしれません。
また、普段から自分が左右どちらに行きやすいかは把握しておくといい。
バイクでのトラブル
次にバイクのトラブルです。大きな事故に繋がるので、事前に対策しておくこと。
- スタートで心拍が上がりすぎる
- 落車する
- 接触する
- 脱水・熱中症をおこす
- 低体温症をおこす
- 補給食・ボトルを落とす
- コースを間違える
- 周回数を間違える
- 眠くなる
- 脚が攣る
スタートで心拍が上がりすぎる
スイムアップ後で心拍がかなり上がって強度が分からなくなることがあります。
最初は抑えめにスタートするよう心がけておくといいです。
スイムで脱水しているので、しっかり水分を取り、落ち着いてスタートしよう、というくらいの気持ちで。
落車する
レース中に落車してしまうこともあります。多くの理由はコーナーでのスリップです。
路面ウェットの場合はとにかく突っ込まないこと。グリップ重視で少し空気圧を低めにしておくこと。
ウェットでなくとも、コーナー前にはしっっっかりと減速すること。急ブレーキ急ハンドルをしないこと。
接触する
充分車間を取っていれば起こり得ないのですが、接触もあります。特に登りで前が余裕なく蛇行やライン変更をしてきた場合などです。
登りであってもドラフティングゾーンに入らないよう心がける、前が近づいてきたら勇気を持って抜き切る、など。
危険回避のため前後に注意を払うこと。また、その余裕を持ってレースをすることです。
脱水・熱中症をおこす
暑い時期の大会ではスイムから熱中症は起こります。
バイクに乗ってひと漕ぎした時点で脚に力が入らないと感じたら、すでに脱水が進んでいる可能性があります。
とにかく水分をとり、身体にも水をかけて様子を見ること。サイクリング強度でも調子がおかしいと思ったら棄権も考えてください。バイク中にふらついたら単独落車で済まない可能性があるので。
バイクパート中に脱水が進むことも十分にあり得ます。風を受けて発汗していないように思えて、発汗してすぐ乾いている可能性があります。
体勢変更を面倒がって給水回数を減らしてしまうことがあるので、ショートでもDHバーボトルの導入を検討してもいいでしょう。
また、熱中症対策には「水をかける」が有効です。かけ水用のボトル(とそれを置ける飽きケージ)を用意しておきましょう。
トライアスロンにおすすめのボトルケージ【給水は戦略です】
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低体温症をおこす
逆に低体温症をおこすこともありえます。5月や10月のレースで雨天の場合は要注意です。
レインコートの着用は空気抵抗が大きすぎて体力を奪うことになるので、対策するならウェアの下に。コンビニ袋やクッション材(プチプチ)をお腹や背中に入れておくと保温できます。
補給食・ボトルを落とす
補給食を補給食バックから取り出すときに落とす、ボトルをケージに入れようとして落とす、など。
落とした物を取りに戻ると危険なので、諦めてください。審判が気づいてくれれば退避させてくれるはずです。
しかし、ロングで大量の補給食を落とした場合やエネルギーボトルを落とした場合は、瞬時に判断して取りに戻りましょう!!命取りになります。
その際も絶対に逆走してはいけません。バイクを降り、路肩や歩道に置いて、歩いて戻って下さい。それもできない距離ならば、頭を切り替えてエイドの食料をいかにして保持するかを考えましょう。
しかし何より大事なのは、「エネルギーボトルを落とすと命取りである」と認識しておくことです。多少時間がかかっても丁寧にボトルケージに入れましょう。
コースを間違える
コースミスはよくあります。間違えたら、間違えたところまで戻ってコース復帰しなくてはいけませんし、周回ミスでフィニッシュまで行ってしまったらもう戻してもらえないケースもあります(逆走不可のため)。
なによりもコースを間違えないことです。
事前にコースを叩き込んでおく。ロングでは車での下見が必須です。ショートでも前日入りして分岐を歩いて確認するなど下調べを徹底しましょう。
周回数を間違える
ショートは6周回など周回数が多く「数えておく」ではかなりの確率で周回ミスします。
サイコンをつけておく、そもそもバイクが何キロなのか把握しておく(40㎞とは限りませんよ)、など自分で対策しましょう。
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眠くなる
バイク中に眠くなってしまうことは実はよくあります。ロングだと多くの人が経験しています。
スイム練習の後に急激に眠くなることがありませんか?トライアスロン大会ではバイク中にあれが起こるのです。
また、補給の量を考えず一気に糖質を摂取したことで血糖値が乱高下し意識が朦朧とすることもあります。
塩分を含まない水ばかり摂取することで低ナトリウム血症となり意識が遠くなることもあります。
まずは、「眠くならない対策をする」こと。大会前眠れない傾向があるなら数日前から対策する、睡眠導入サプリを使う、カフェインを抜いて当日だけ使う、など。
どれくらいの糖質を摂った後だるくなるのか自分の体で実験しておくことも大事です。ドリンクに電解質を含めることも。
その上で、もし眠くなったらどうするか、も決めておいてください。「勇気をもって降りて横になる」「大声を出す」「カフェインを飲む」など。
もちろん「勇気をもって止まって降りて横になる」が一番のお勧めです。事故を起こしてからでは遅いです。
脚が攣る
内転筋、腓腹筋、あたりはよく攣ります。多くの原因はミネラル不足と使い過ぎ。
バイクの時点で攣ってるならもうそのレースは諦めて強度を落とした方がいいかもしれません。
だましだまし進めても、また別のところが攣るだけ。
ラントランジションでシューズを履き替える時に再び攣ることになるでしょう・・・。
マラソンの最中に脚が攣ったら、ゼッケン用の安全ピンで刺して復活するって強者がいますが、やるなら自己責任で・・・。
ランでのトラブル
最後に、ランのトラブルです。
- 脚が重くて動かない
- マメができる
- 脚が攣る
- 吐き気がする・吐く
- 転倒する
- 下痢をする
- 脱水・熱中症をおこす
- 低体温症をおこす
脚が重くて動かない
多くの選手が経験するのがこれ、バイクの後で脚が重くて動かない、こと。
逆もあって、バイクから降りた後の方がよく動く場合もあります。しかしそのまま走り切れるのが何キロなのか練習で体験しておきたいところ。
ショートは筋肉の使い過ぎとグリコーゲンの枯渇、ロングはほぼグリコーゲンの枯渇が原因かと思われます。
筋グリコーゲンの回復は短時間では起こらないので、レース中の完全復活は諦めた方がいいでしょう。
なので、いかにフィニッシュまで筋グリコーゲンを枯渇させないか、が重要。
補給の実験と工夫により対策できます。
ロングトライアスロンの補給について
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マメができる
ランではどうしてもマメができやすいです。スイムで足がふやけてしまっている、バイクでも靴下を履かず蒸れている、ランで靴下を履かずシューズのインナーとの擦れが多く発生する、ため。
ショートまでは諦めてフィニッシュするしかないでしょう。
ロングは序盤でできてしまったらそのあとずっと苦痛です。できるだけマメができないように対策をしておくべきでしょう。
スイム後しっかりと水分を拭いてソックスを履いてバイクシューズを履く、バイク中に水がかかったら履き替えられるようにラントランジションバッグに替えの靴下を入れておく、時間がかかってもラントランジションで5本指ソックスを履く、水をかぶるときに足にかからないように気を付ける、などです。
脚が攣る
ランで脚が攣ってしまう人もよく見かけます。多くはミネラル不足です。
まずは起こさないように対策すること。水分だけを摂らない、エイドのスポーツドリンクを過信しない(塩分不足)、塩タブレットをエイドで配布している大会では積極的にとる、など。
痙攣が起きてしまったときは無理に走り続けず、エイドまで歩いて水分と塩分を補給しましょう。消炎剤スプレーなどを置いている大会もあります。
吐き気がする・吐く
熱中症か、補給の失敗により、吐き気が起こることがあります。そして多くの場合、嘔吐してしまいます。
まずは熱中症にならない対策を。水をかける、ミネラル補給、強度を抑える、など。そして、運動中&発汗過多の状態では消化機能が著しく低下していることを知っておくこと。
かつ、補給の練習もしておくといいでしょう。
吐き気がするまま走るのはとてもとても辛いものです。仮設トイレがあれば吐いてしまうのも手。しかし嘔吐=大量脱水、なのでそのあとまともにレースを続けられると思わないこと。
2回吐いたらリタイアする、など決めておくこと。
転倒する
スイム・バイクで消耗し、筋グリコーゲンも枯渇し、感覚が鈍ってしまい転倒することもあります。
ふらっとしたら転倒する前に無理にでもしゃがむ!と頭に入れておくこと。転倒により頭を打ったり手をついたり膝を打ったりしたら、もうレースが続けられません。
とっさに受け身を取れるといいので、練習してイメージしておくのも手です。
下痢をする
脱水症状のひとつとして、また水分の摂りすぎや、水をかけたウェアが急激に冷えたことなどによって、内臓が冷えてお腹を壊すことがあります。
ロングでは、制限時間まで頑張る選手に起こりやすいです。気温差が激しすぎるので・・・。
私には対策は思いつかないので、知ってたら教えてください。私は毎回お腹を壊してランで仮設トイレにかけこんでいます。。。
脱水・熱中症をおこす
ランで一番のトラブルが熱中症だと思います。ショート・ロング問わず。
まずは、熱中症対策を事前にしておくこと。暑熱純化です。レースの半月前くらいから暑い中で運動して発汗するようにしましょう。宮古島などその環境が整わない時期はサウナを活用します。
当日はスイム・バイクとも熱中症対策をしっかりしてランスタート時点で脱水状態にならないようにしておくこと。
かつ、ランに入ってからも体温を下げ続けることです。水をかぶるのが最も有効。
また、湿度が高い日は紫外線対策よりも熱の発散を優先した方がいい場合もあるので、アームカバーやレッグカバーを途中で取るなども頭に入れておきましょう。
低体温症をおこす
ランでも低体温症がありえます。特にロングです。
冷えてしまったウェアを乾かすのは困難なので、歯が合わない、唇が震えるなどの症状が出たら、すぐに競技を中止してスタッフさんに助けを求めてください。
救護が来るまで毛布にくるまらせてもらう、濡れた服を脱がせてもらうなどの対策が必要です。このあたりは大会のメディカルの皆さんが十分に対策してくださっているので安心してお任せしましょう。
とにかく「止めます」と言うことです。勇気をもって。
トラブルをどうやって防ぐのか
起こりうるトラブルの「一部」をご紹介しました。
では、これらトラブルをどう防げばいいのか。
- トラブルが起こりうることを知っておく
- トラブルが起こる原因や対策を調べる
- トラブルを防ぐ対策をする
ことです。
知らないことが一番罪深い。発生することを知っておき、その原因や対策を調べ、「他人事ではなくトライアスロン大会に出る自分にも起こりうることなのだ」と認識して対策することです。
トラブル・事故防止は選手の努め
このようなトラブル防止は選手の努めです。
トラブルが起こったからといって、大会には責任はありません。危険な箇所や注意事項は競技説明会で説明してくれています。それをしっかりと聞くのも選手の努めです。
参考記事:
・運動中の事故を防止するために~競技団体からの提言~
・トライアスロン大会参加選手用・熱中症対策(2013年6月8日改訂)
・メディカル・アンチドーピング委員会からのお知らせ(ウォームアップ)
- 暑いと分かっていれば暑さ対策をする
- 寒いと分かっていれば寒さ対策をする
- コーナーの前は十分に減速する
- バトルが怖ければ避ける
そして
十分に練習してから大会に臨む
ことが何より大事です。
トライアスロン大会でのトラブルまとめ
- 大会全体を通じてトラブルや事故が起こりうる
- 事前に知り、対策することで防ぐことができる
- 知ること、対策することが選手の努めである
- 十分に練習してから大会に臨みましょう
以上、トライアスロン大会で起こりうるトラブルのご紹介でした。
この記事の中では一つ一つは十分に説明できませんし、原因や対策も十分には記載できません。しかし、熱中症やスイム事故対策については個別に取り上げて記事を書いていきますので、今後も注目頂けると嬉しいです。
また、これからトライアスロンを始めようとされるお友達がいれば、危険が伴うスポーツであることを教えてあげてください。
イメージよりは実はカジュアルに始められるスポーツであるトライアスロンですが、それと危険性は別。このようなことを、先輩方がぜひ伝えていって頂きたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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関連記事:
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