リアディレイラー(ギアチェンジ)の仕組み【画像で解説】
リアディレイラーの仕組みを説明します。
ハンドルから変速すると、ワイヤーが引っ張られてチェーンガイドを動かして、チェーンの位置を変える働きをしています。
フロントディレイラーの仕組みで詳しく説明しているので、先にそちらをお読みください。
フロントディレイラーの仕組み【画像で解説】
フロントディレイラーの構造と仕組みを解説しています。仕組みが分かっているとメンテナンス作業を覚えやすいですよ!
リアディレイラーの仕組み
リアディレイラーの構造と動き
上から見たところです。フレーム固定部(赤)、可動部(青)、プーリー部(黄色)、から成ります。
フロントディレイラーと違うのはこの2枚の小さなギアが付いているところ。「プーリー」と言います。
2枚のギアを移動するだけの単純な構造のフロントディレイラーとくらべ、リアディレイラーは10枚や11枚の隙間の狭いギアを細かく移動します。フロントのようにチェーンを押して移動するのではなく、より狙った場所に移動できるように、この小さなギア(プーリー)によってチェーンの位置を導いているのです。
青い部分が動いて、黄色い部分のプーリー部分を動かします。
動きは横と、
縦の動き。
まず横の動き。強いバネの力で、何もしていなればプーリーは右に寄っています。ワイヤーで引っ張ることで、プーリーの位置を左に動かせるような構造になっています。フロントディレイラーとは左右逆の動きです。
(上)プーリーは右に寄った状態。(下)ワイヤーで引っ張ってプーリーが左に動いた状態。
プーリーには、この左右の位置を動かしチェーンの位置を決める以外にもう一つ働きがあります。下のプーリーは、変速をしてもチェーンがたるまないように常に張りを保つ役割をしているのです。(ちなみに上のプーリーを「ガイドプーリー」、下のプーリーを「テンションプーリー」と言います)
フロントインナー×リアトップ(一番小さなギア)の状態。最もチェーンの長さが必要ありません。下のプーリーを最もフロントから遠ざけて、チェーンが弛まないようにしています。
フロントアウター×リアロー(一番大きなギア)の状態。チェーンの長さが最大限必要なMAXの使い方です。この時はチェーンが引っ張られて下のプーリーの位置がフロントギア側に寄ります。
このような動きをする部品です。
フロントディレイラー変速の仕組み
では、変速の動きを見てみましょう。スプロケットの歯が小さい側、トップから見て行きます。
トップからローの動き
リアディレイラーが引っ張られていない状態では、ガイドプーリーは最も外側。一番歯数の少ないトップギアと一直線にあります。
変速してワイヤーを引っ張ることによりガイドプーリーは内側に一枚分動き、トップから2枚目のギアと一直線の位置に移動します。それによりチェーンが導かれ、2枚目のギアに移ります。3枚目、4枚目への動きも同じです。
最後、一番大きなギア(ローギア)と一直線の位置までガイドプーリーは移動します。
ローからトップの動き
逆の動きです。最もワイヤーが張って引っ張られた状態から、トップ側に変速することでワイヤーの張りを緩めてリアディレイラーを元の姿に戻していきます。ガイドプーリーは外側に移動し、チェーンもそれに導かれて外側の小さなギアに移動します。
シフトレバー側の構造と動き
ワイヤーの張りを操作するコントロールレバー側の動きも確認しておきます。フロントディレイラーと同じですが、フロントが2段階なのに対し、リアは10段や11段階動いては止まり、動いては止まり、と細かく動くようになっています。
リアディレイラーと右のコントロールレバーが繋がっていて、レバーの中にワイヤーが通っています。(写真はTIAGRAのもの。他のグレードだとワイヤーの位置が違います)
ワイヤーを張っていないトップ(小さい歯)の状態では、シフトワイヤーの先端は中に入った状態になっています。
これを、レバーを押し込んでロー(大きい歯)側に変速すると、ワイヤーの頭が外側に出てきます。
大きな歯に変速すると、ワイヤーはどんどん外側に巻いて引っ張られます。
元の位置から、外側に引っ張って止まることにより、ワイヤーを張り、リアディレイラーを引っ張っているわけです。
正しく変速するためには
では、この動きをするために、必要な要素を理解しておきましょう
まず、リアディレイラーが正しい位置に取り付けられていること。
取り付ける位置は決まっているので上下がずれることはありませんが、取り付け部品(ディレイラーハンガー)が落車などで曲がっている場合は内外の位置はおかしくなってしまいます。衝撃からフレームを守るためこの取り付け部品は柔らかめなので、落車などで衝撃を受けた時はかならずチェックしたい部分です。
ワイヤーが張られず最も外側にある状態では、トップギアの位置とガイドプーリーが一直線になっていること。
最もワイヤーが張られた状態では、ローギアの位置とガイドプーリーが一直線になっていること。
適切にワイヤーが張られ、スムーズにギア間をチェーンが移動すること。ギア間の移動については、コントロールレバー1回の操作で張る量は決まっているので、張りが正しければ全て上手く変速できるはずですが、ワイヤーの張りが適切でなければ少しずつ張りが足らず移動しきれず擦ってしまったり、移動できず「ギアが飛んで」しまいます。
ワイヤーが伸びたり、ワイヤーの固定が緩んでずれてきたり、ワイヤーが傷んでほつれてきたりすると、最初の設定通りにはディレイラーが動いてくれなくなります。
また、テンションプーリーが適切に移動してチェーンの弛みがない状態を維持するためにも条件があります。
まず、チェーンの長さがあっていること。チェーンは走っているうちに伸びていくので、たまに伸びをチェックして適切な範囲内に収まっているかを確認しなければいけません。範囲以上に伸びていれば交換です。
リアディレイラーの可動部が適切に注油され滑らかに動くこと、異物などが挟まっていないこと。プーリーはほっておくとチェーンの汚れが溜まってモロモロの油汚れやカスまみれになります。これも掃除の時に取ってあげないと動きが悪くなりますね。
このように、変速のための内外(左右)の動きと、チェーンの張りを保つ前後の動き、2種類の働きをしているリアディレイラーさんなのです。
大事に扱ってあげてください(笑)
では、次回は変速関係でよくあるトラブルと、それが自分で対処できる範囲なのかをざっと整理してみたいと思います。なんでも自分でできるわけではないですが、全部が全部ショップに頼らず少しくらいは直せるようにしたいですね。
2-2.変速機編:よくある変速のトラブル
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