ロードバイク輸送に伴う梱包の手順
自転車を輸送する場合にどのように梱包すればいいのか、一例を書いていきたいと思います。
ただし、こうすれば絶対に破損しないというわけではないので、参考にして頂いたうえで十分に保護を施されるようお願い致します。
バイクの入れ方には、バイクケースの仕様やサイズによっていくつかパターンが考えられます。
(1)フレームを固定できる器具があり、またはそのようなものがケースに付属しており、バイクをひっくり返さず入れられるパターン(シーコン、イーボック、プレミア+固定具、など)
(2)固定器具がなく、後輪を外した状態ではチェーン・クランクが床に着くため上下ひっくり返して入れるパターン(多くのケースがここ)
(3)箱にバイクを括り付ける・吊るす、などで地面に着けず固定するパターン(バイクサンド、グッディーバイクボックス、パイプの枠自作など)
(1)の固定具がある場合はいいのですが、(2)(3)の場合、ホイールを外してしまうと著しく作業効率や安定性が落ちるので、ホイールをつけたままできる作業はやってしまった方がいいと思います。(もしくはワークスタンドを使う)
ひっくり返すパターンの注意点
一般的な輪行袋では、<サドル>と<リアのフォークエンドに取り付ける固定具>の2点固定となりますが、
輸送箱は<サドル(抜いている場合はシートチューブの上端)>と<ハンドル回りで一番高い部分>の2点固定となります。
立てた状態(かつハンドルを倒した状態)で、どこが当たるかを確認してみます。
この場合だと、黄色の線。DHバーの後ろが一番高くなります(長いまま切ってないから^^;)。これはあまりにも不安定で、かつこんな細い物にバイクの重量がかかるのはとても不安。ハンドルを外してコラムの先端を一番上(赤い線)にした方がいいでしょう。
ブルホーンハンドルの場合はこうなりやすいかも。ロードバイクならブラケットが当たると思うのでそこそこ安定すると思います(自立はしませんが)。
この、ハンドルを外すか外さないか、で梱包作業の難易度が大きく変わります。そんな理由もあって、固定具をおススメしています。(どこでも売り切れなんですが・・・)
では、作業手順を説明していきます。
ロードバイク解体作業手順
1.ペダルを外す
2.サドルを低くするか抜く
3.ハンドルを倒す/外して固定する
4.フレーム、コンポーネントを保護する
5.箱に入れて安定を確認する
6.周辺をウェア・緩衝剤・段ボールなどで埋めて「遊び」を無くす
・ペダルを外すのはホイールが付いていないとまず無理なので最初にやりましょう。
・片手でバイクを支えたまま離れられなくなることもあるので、梱包に必要な物は最初に揃えて近くに置いておきましょう。(六角レンチ、緩衝剤、ハサミ、ガムテープ、タイラップ、ニッパーなど)
・タイラップは再利用可能タイプが便利です。
・バイクを傷つけるのは自分のバイクです。何かと何かが当たる部分は必ず保護を。
1.ペダルを外す
外さなくても入るケースもあります。プレミアはSPD-SLだと外さないと入りませんがスピードプレイなら外さず入りました。ただしホイールの入れやすさを考えるとやはりペダルは外した方がいいです。
外す作業はこちらを参考にしてください。専用の工具が必要です。
3-4.バイク輸送時に必須の作業、「ペダル脱着」のコツ
ちょっと予定とは順番が違いますが、 今回は、トライアスロンレースでバイクを輸送する時に必須の作業となる、「ペダルの脱着」について書きたいと思います。 輸送箱によっては外さずに入れられる場合もあるのですが、ペダルがあることでどうしても横幅を取り斜めに置かないといけなかったり、輸送箱に当たって横から圧がかかってしまう可能性があります。作業的には容易ですので、外してしまった方がパッキングの作業は楽になり
最初は相当固いので、無理だと思ったらバイク屋さんに持って行って少し緩めてもらってもいいかもしれません。
外したペダルを絶対に忘れないように!(笑)緩衝剤でぐるぐる巻きにしてボトルケージに突っ込んでガムテープで留めておいてもいいかも。
2.サドルを低くするか抜く
女子であればサドルは下げなくともそのまま入る場合もあると思いますが、男性の方は箱の高さが足りないと思います。サドルを下げられるようなら下げ、下げる余地がなければシートポストごと抜いてしまいましょう。動かす前に必ずマーキングをして下さい。
3.ハンドルを倒す/外して固定する
シーコントライアスロンならそのまま入るのかな?それ以外のケースではハンドルを横に向け、下に倒さないと入らないと思います。
この時、ハンドルを最大まで左右どちらかに切るわけですが、シフトワイヤー・ブレーキワイヤーを短くしているとどこかに負荷がかかった状態になってしまいます。
ワイヤー交換の時にはこれを配慮して長さを決めましょう。もしくはワイヤー交換をショップに依頼する時に、輸送時にMAXまで切ることを伝えておく方がいいと思います。
電動の場合はここでケーブルに負荷がかかるとまずいので、ハンドルを倒す前に全部抜いてしまった方がいいと思います。
ケーブルの抜き差しを一切やったことがない場合は注意。抜き差し用の用具をバイク購入時にもらっていると思いますが、なければ購入してください。
前に倒すためには、ステムの蓋を緩めます。緩める前に必ずマーキングを!
箱が小さく倒しただけでは入らない場合や、ひっくり返しただけではハンドルの弱い部分が床に接地してしまう場合などは、ハンドルを抜かなければいけません。一気に作業の難易度が上がります!
・フレーム類を先に緩衝剤で保護する。
・ステムの蓋を外してハンドルを外す。
・ケーブル類を引っ張らないように注意しながら、ブラブラしないようにフレームに固定する。
・ステムの蓋を無くさないように戻しておく
ハンドルをフレームに固定するには、再利用可能な結束バンドが便利です。
倒しただけで入る場合であっても、DHバーがスキーベント(前が上がっているタイプ)だと箱に当たってしまう可能性があります。
先端に変速レバーやボタンが付いている場合は故障の原因になるのでこれも横に倒しておくといいでしょう。
DHバーを固定しているボルトを軽く緩めてバーを回転させます。
4.フレーム、コンポーネントを保護する
箱の中で物が動いて当たった時に傷つけないように十分に保護します。
①まずトップチューブ・ダウンチューブ・シートチューブ・ハンドル回りを保護してから、
②フロントホイールを外してフロントフォークとフロントブレーキ。
③最後にリアホイールを外して、クランク・チェーン・チェーンステー・リアディレイラー
という順にやっていくといいと思います。
フレーム固定具がある場合はこの時点で固定、無い場合はひっくり返しての作業になります。
緩衝材はプチプチでもいいですし、輪行をよくする人は再利用しやすいように作ってしまうのも手です。私は100均でノートパソコンケースを買ってきていいサイズに切って使っています。
前後ともフォークエンド金具を取り付けて、クランクの位置は水平にして、チェーンが弛まないように吊ります。
Sカンと髪ゴムで自作できますが、売ってもいますw結束バンドでもいいんですけどね。
チェーン、クランク、リアディレイラーを一気にカバーできる100円グッズ!それがこれ!O型便座カバー(笑)
お勧めです(笑)
5.箱に入れてサイドにホイールを入れる
そのまま箱に入れて(写真は固定具ありの場合。ない場合は上下さかさま)、
サイドにホイールを入れます。
写真ではホイールをキルティング素材の布で自作した(横を縫っただけ)カバーに入れています。市販のペラペラなカバーを使う場合はスプロケットを緩衝材で包んだ方がいいです。クイックは抜いておきます。(持って行くの忘れないように!!w)
もしカバーを使わずホイールを入れる場合は、バイクを入れる前にバイクに左右から固定してしまいましょう。スプロケットを緩衝材で包み、3~4点をフレームと固定します。固定する場所を緩衝材で包んだうえで、タイラップで固定しましょう。
6.周辺をウェア・緩衝剤・段ボールなどで埋めて「遊び」を無くす
バイクとホイールだけではこのように前後に隙間があります。
運送中に箱はまず間違いなく縦にされますので、隙間があればその時に物が動いて破損の原因になるのです。
柔らかい物(ウェア・ウェットスーツなど)で隙間を埋めて箱の中で動かないようにしましょう。
固い物を入れる場合はできればそれ自体を緩衝材でカバーし、バイクに直接触らない位置に置いて間に柔らかい物を挟みます。
重い物(水、工具など)を入れるときには底に。ただし、箱が縦にされた場合もそれがバイクに降ってこないように、柔らかい物で間を埋めるようにした方がいいと思います。
以上、国内でバイクを送る場合の詰め方例でした。海外の場合は飛行機輸送になると思いますが、かなり手荒く扱われるのでこの程度の梱包では損傷の可能性があります。
現地での作業はこの逆になるわけですが、ハンドルの取り付け時に締め付けが甘いとレース中に前に回ってしまいます!!しっかりと取り付けて下さい。現地メカニックブースで最終点検をしてもらうのがお勧めです。
以上、バイク輸送時の詰め込み例でした。
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