ロードバイクのブレーキシューの交換方法&交換後の調整【画像で解説】
主に女子トライアスリート向けに、「自分で最低限のバイクメンテができるようになろう!」という目的で書いておりますこのシリーズ。「こうやろう!」ではなく「こういう理由だからこうやろう!」を意識して書いてます。その方が理解も覚えるのも早いと思うので(^^)
では、ブレーキ編の③です。今回はブレーキシューの交換をやってみます。
ブレーキ編①を見てない人は先に読んでブレーキの構造を把握しておいてください。
1-1.ブレーキ編:ブレーキの仕組みを見てみよう
ロードバイクのブレーキの仕組みを解説します。
ブレーキシューの交換時期や交換の目安
まず、ブレーキシューがどの状態になったら交換なのか、知っておきましょう。
ブレーキシューは溝が無くなる前に変えましょう
ブレーキシューの交換の目安の一つはブレーキシューについてる許容ラインまですり減ったらって言いますが、それってここですよ!減りすぎですよ!(笑)
ここまで減ったらシュー表面とリムとの間は相当開いてますから、自分で調整できる人じゃないとここまで使っちゃだめです。
第一、溝が完全になくなっている状態で危険です。この溝はリムについた水を横に逃がす排水溝で、雨の日や濡れた路面を走る時のブレーキの利きに大きく影響します。
雨の日は練習しないかもしれないけど、雨の日だからってトライアスロンのレース出るの止めないでしょ?常に雨でも止まれるブレーキシューを保ちましょう。排水の溝が1mm以上あるうちに変えたいですね。
ちなみに、雨の日に乗ったらブレーキシューはめちゃくちゃ減ります。水に含まれる細かい砂がシューを削り取ってしまうんですね。乗ってる時に雨に降られてしまったら後のメンテナンスの時は必ずブレーキシューの減りをチェックして下さい。
ブレーキシューの表面に金属片が埋まってたら変えましょう
こんな風に、ブレーキシューの表面に小さな金属片が埋まっていることがあります。ホイールのリムが削れたものだったり、異物だったり。
この状態でブレーキをかけると、確実にリムを傷めてしまいます。1つ2つ小さなものであればキリなどでほじくって出してもいいのですが、できたら交換しておきたいです。
雨の日に乗ったり、不整地を走ったりした後は要チェックです。気づくのが早ければ早いほどリムのダメージが少ないので・・・。
ブレーキシューは減ってなくても2年で交換しよう
ブレーキシューの素材は主にゴムです。(ゴムじゃないのもあります)ウェットスーツとかもそうですが、ゴムは時間が経つと硬くなりますので、長らく乗ってなかったり1か月に数回しか乗らないから全然減らないって場合でも、最後に交換して2年経ったら変えた方がいいです。
では、実際に外して見てみましょう。
ブレーキシューの外し方・入れ方(105以上)
メンテナンススタンドに立ててやりましょう。ホイールは外さなくてもできます。
前はやりにくいですので外してもいいのですが、エンド(ホイールがはまってた部分)を傷つけないように気を付けて下さい。
ブレーキのクイックレバーを上げてブレーキシューとリムの間をあけておきます。
ブレーキシューはこのボルトで動かないように留まってます。これを外します。写真のようにドライバーのネジの物もあれば、六角レンチのほっそーいやつ(2mm)のものもあります。
ラジオペンチなどで挟んで抜きます。
減りや表面のチェックをしてみましょう。これはほぼ新品で雨の中も走ってませんので綺麗です。それでも一部鉄粉っぽいのが付いてますね。
こうして抜かなくてもホイール外した時に覗き込んでもいいですが、女子的にはホイール外すよりこの作業の方が楽だと思うので(笑)、定期的にチェックしてみてください。
問題なければ入れ直します。交換の場合は新品と入れ替えます。
左右がありますよ。シューの後ろにLかRと書いてます。間違えないように。
前後もあります。小さく矢印が書いてあるのでその方向に入れます。後ろの溝のところに最初に外したボルトが入ると分かってれば間違えません。
指で押し込みます。シマノ純正のシューであればすんなり入りますが、そうでなければきついこともありますよ~。しっかり奥まで押し込んでおきます。
ボルトを付けて抜けないように固定します。クイックレバーを下します。
最後にブレーキシューとリムの間隔を調整します。まあ新品で付けてもらって一度も調整せずにまた新品に交換したなら調整の必要はないんですが、やり方は知っておきましょう。
この調整ボルトを使います。調整ボルトを回すことでワイヤーを張ったり緩めたりすることができるので、2-3mmの間隔調整であれば調整ボルトを回すだけでできるのです。ここの使い方を知っておくと、シューが減った時や握りの強さを変えたい時など自分でできますよ。
ワイヤーを留めているボルトを外して張り直す、でもいいのですが、何度もやるとワイヤーを傷めてしまうのです。
ちなみに簡単に仕組みを説明しておくと(次回「ブレーキの調整のしかた」でも再度書きます)、
この黒い部分を時計回りに回してもう回らないところまで回すと、下の部分がこれくらい出ます。
これでワイヤーが最も緩んだ状態です。びろーん。
ワイヤーが緩んでいる=リムとブレーキシューは一番離れた状態です。
ここから、調整ボルトを反時計回りに回していくと、下から出ていた部分が上に入っていって
ワイヤーが張られます。ブレーキシューはリムに寄っていきます。
どういう原理か知りたいですか?(笑)私こういうの知りたい派(笑)そうでもなければ読まなくていいですよw
ってな仕組みです。
これでもうブレーキシューの間隔の調整は自分でできますね!
参考)シューのゴムだけが外せないブレーキのシュー交換について
シマノのブレーキは、105・アルテグラ・デュラエースはブレーキシュー(ゴム)だけの交換ができますが、TIAGRA・SORAはブレーキ自体にボルト留めされているので交換方法が違います。また、交換後の高さや角度の調整も必要です。
余談ですが、トライアスロンに出場するためのバイクであれば、できればブレーキは105以上のグレードの物を使いたいです。ブレーキの制動力が違います。
ショートレースのバイクコースは急なコーナーやUターンが含まれることが多いですし、ロングになればアップダウンを含むコースがほとんど。ブレーキの制動力は安全性と快適性に直結します。
エントリーモデル(早い話が「最初の一台として買いやすい安い価格帯のバイク」)のロードバイクには、価格を抑えるため安いパーツがついている物もあります。慣れて物足りなくなったら交換することを前提としているのかもしれませんが、安全性に初心者も上級者もありません。ブレーキについては、最初からちゃんとしたものに交換することをお勧めします。
ブレーキごと交換する他、カートリッジだけの交換をすることもできます。こちらのカートリッジに交換すれば、以降はシューだけの交換ができるようになります。交換についてはショップに相談した方がいいですね(互換性の確認は個人では難しい)。
ブレーキシューの種類
ホイールがアルミかカーボンかによってブレーキシューの素材も変わります。購入するときは必ず「アルミ用」「カーボン用」を確認して買ってください。
なかには「アルミ/カーボン兼用」というものもありますが、いったんアルミリムのホイールで使うとリムの金属片がシューに埋まっていることがあり、それをカーボンホイールで使用するとカーボンホイールが傷ついてしまいます。
練習用とレース用でホイールを使い分けている場合などでも、ブレーキシューの使いまわしするのは止めましょう。ホイールを変えたら、シューも変える。セットです。
女子にお勧めのブレーキシューは?
ブレーキシューもいろんなメーカーから出てます。
女子は「手が小さい」「握力が弱い」ため、「軽い力で握っても十分な制動力があること」がポイントになります。
軽い力でも握り始めからスピードが落ち、ゆっくりになっていって最後そんなに力を入れなくても止まれること。
以下は「軽い力でブレーキがかかりやすい」と評価されているブレーキシュー。どちらもスイスストップの商品です。
アルミリム用)
カーボンリム用)
私はこれを使ってます。4個(前後分)セットです。
シマノ純正とはかなりの価格差がありますけど、私がメインレースにしてる五島トライアスロンはアップダウンも激しいし梅雨の時期で雨も多いので、毎年これくらいの出費は保険変わりです。
シマノ純正のシューはこちら。
以上、ブレーキシューの交換について解説しました。
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