ロードバイクのブレーキの仕組み

バイクメンテナンス

ロードバイクのブレーキの仕組みを解説します。

説明するのはこのタイプ。キャリパーブレーキと呼ばれるものです。(名前は別に覚えなくていいです。)

brake

なお、ブレーキについては、相当理解が進んで工具使いも危なっかしくないレベルまで行かない限り、取り付けられた状態から工具を使って外したり動かしたりしないでください。しばらくはショップや詳しい方に任せましょう。取り外しての清掃なんて何段階も先!(笑)欲張っちゃダメ(笑)

一番命に係わるパーツなので、慎重にやりましょう。
でも必要以上に怖がって、良くない状態のまま放っておくのも大問題です。まず仕組みを知って理解しましょう。

できれば自分のバイクを横に置いて、眺めたり触ったりしながら読んで下さい。


ブレーキの構造と動きの仕組み

前輪のブレーキも後輪のブレーキも、構造は同じです。ざっと、構造と動きを見てみましょう。

この部品と

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この部品の組み合わせ。

brake02

それぞれ先にブレーキシューが付いていて、タイヤを挟み込んでいます。

フレームに取り付けたところです。

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ハンドルから通ってきたブレーキワイヤーが、調整ボルトを通って、最後ボルトで留められています。

brake03

ハンドルのブレーキレバーでワイヤーを引っ張ることによって、ボルトを留めている部品が上に引かれて&調整ボルトと繋がっている部品を下に引っ張って、それぞれ先端にあるブレーキシューを内側に動かします。

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そうしてブレーキシューをホイールに当てることで、摩擦を使ってホイールの動きを緩めたり、止めたりします。

これがブレーキの構造と動きの仕組みです。



ブレーキレバーの構造と動きの仕組み

ブレーキを操作する側も見ておきましょう。ハンドルについている「デュアルコントロールレバー」を見てみます。

dsc_1288

なお、なにがデュアル(2つ)やねん、というと、「ブレーキと変速」の2つです。ブレーキと変速の2つの操作ができるレバー、ってことです。

ブレーキ操作はこの動きですね。レバーを引くと、ブレーキがかかります。

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レバーを引いたらどんな動きになってブレーキがかかるのでしょうか。

ブレーキレバーを最大限引いて中身を見てみます。(ハンドルに取り付けているとここまで開きませんよ)

中身はこのようになっていて、ここでワイヤーの端っこが引っかかって留まっています。

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通常この辺に収まっているブレーキワイヤーの端っこが、

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ブレーキレバーを引くことで、前に移動しワイヤーを引っ張ります。

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すると、繋がったブレーキのこの部分が引っ張られ、ブレーキシューを取りつけた部分が閉まる、という仕組みです。

dsc_1281


動きを確認してみましょう

構造は理解できましたでしょうか?

ご自分のバイクを使い、実際にレバーを引いてワイヤーが引っ張られることを確認し、それによってブレーキのどの部品が動いているのかを見てみて下さい。そっと少しだけ引いてシューがホイールに触れるのを見たり、ギュッと握ってシューがホイールに押し当てられるのを確認して下さい。

左右の操作は、日本で完成車を買うと通常は右手のブレーキレバーで前輪のブレーキ、左手のブレーキレバーで後輪のブレーキを操作するようになっています。


ブレーキの正しい取付位置と正しい動きを知る

ブレーキが適切に動作して、速度を緩めたり止まったりという働きをするためには、

・ブレーキが正しい位置に取り付けられ

・ブレーキシューが正しい位置に当たるように取り付けられ

・ブレーキをかけていない時は、ブレーキシューが適切な間隔に拡がっていて

・ブレーキをかけている時は、適切な強さでワイヤー引っ張られてブレーキシューが当たるように

なっていなければいけません。

今、皆さんのバイクがショップで適切に組んでもらったものであるのならば、その状態になっているはずです。正しい状態を確認しておきましょう。

ブレーキはフレームの前輪を挟み込むこの部分と、

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後輪を挟み込むこの部分に、ボルトで留められています。(TTバイクなどでは位置が違う場合もあります)

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適切な力で取り付けられていればグラグラすることはありません。

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また、ホイールとブレーキシューの間隔は、左右均等になっているはずです。

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ブレーキレバーを引いた時、ブレーキシューはこのホイールのこの部分(リムと言います)に当たります。

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タイヤから1-2mm下に当たっていて、境界線に平行になっているはずです。

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ブレーキをかけていない時のリムとブレーキシューの間隔は1-2mmくらい。ただし、手の大きさや握力によっても最適な間隔は変わります。

ブレーキレバーをどれくらい引いた時にブレーキシューがリムに触れるのか。
もし、握り切ってレバーがハンドルのバーテープに当たらないとシューが触れなければ、それは危険な状態です。(レース前に車検がある場合は通りません)

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ブレーキシューは、ブレーキをかけるたびに減っていきます。雨の日に乗ればたくさん減ります。減ってブレーキシューが薄くなると・・・?

リムとブレーキシューの間隔が広くなりますね。そうすると、以前よりブレーキレバーを引かなければ同じブレーキがかからなくなるということです。ブレーキシューの状態によって間隔の調整をしなければいけません。

 

では、ブレーキシューが減ったり、なんらかの衝撃でブレーキ自体が偏ってしまったりと、納品された時の正しい状態で無くなった時、どうすればいいのでしょう。自分でできるのは何か、プロに頼むべきは何か。

次回はそのあたりを。





【バイクメンテ解説シリーズ】
1-1.ブレーキ編:ブレーキの仕組みをみてみよう
1-2.ブレーキ編:よくあるブレーキのトラブルと対処方法
1-3.ブレーキ編:ブレーキシューを交換してみよう
1-4.ブレーキ編:ブレーキの調整方法を知っておこう
1-5.ブレーキ編:ブレーキワイヤーの交換に挑戦しよう
2-1①.変速編:ディレイラーの仕組みフロントディレイラー編
2-1②.変速編:ディレイラーの仕組みリアディレイラー編
2-2.変速編:よくあるディレイラーのトラブルと対処方法
2-3.変速編:ディレイラーの掃除と注油
2-4①.変速編:ディレイラーの調整リアディレイラー編
2-4②.変速編:ディレイラーの調整フロントディレイラー編
2-5.変速編:シフトワイヤーの交換に挑戦しよう
3-1.スプロケットを取り外して取り付けてみよう
3-2.チェーンを交換してみよう(準備中)
3-3.CO2ボンベの使い方を覚えておこう(準備中)
3-4.ペダルの取り外し・取り付けをしてみよう
3-5.クランクの脱着と掃除の仕方を知っておこう
番外)知っておきたいクランクの基本キーワード
4-1.バイク輸送の方法いろいろとその比較
4-2.バイク輸送のケースの比較
4-3.バイクをバラして箱に詰めてみよう

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