ロードバイクのブレーキの調整方法
最低限のバイクメンテができるように、主に女子トライアスリート・女子ローディ向けに書いているシリーズです。
ブレーキ編の第4回、ブレーキの調整方法を説明していきます。
ブレーキ編①を見てない人は先に読んでブレーキの構造を把握しておいてください。
[clink url=”https://rumiokan.com/?p=242″]
ブレーキシューとリムとの間隔の調整
ブレーキレバーをどれくらい引けばブレーキが利くかは、ブレーキをかけていない(ブレーキレバーを操作していない)時のブレーキシューとリムの間隔で決まります。
この間隔は、ブレーキシューが減った時、ブレーキシューを交換した時に変わりますので、都度調整する必要があります。
基本的には前回(ブレーキシューの交換)で説明した調整ボルトを使います。調整ボルトを回すことでブレーキシューのすり減り程度の間隔は調整できるよう設計されています。
この黒い部分を時計回りに回していくと、ワイヤーが緩んでいきます。調整ボルトを締める、と、ワイヤーが緩む、なのでちょっとややこしいですね。
ワイヤーが緩むと、ブレーキシューはリムから離れていきます。
逆に調整ボルトを反時計回りに回していくと、下から出ていた部分が上に入っていってワイヤーが張られます。
ブレーキシューはリムに寄っていきます。
少しずつ回してはブレーキを握ってみて感覚を確認し、自分のちょうどいいところでブレーキシューがリムに触れるように調整しましょう。外で乗っているときに、効き過ぎるな・効かないな、と思った時でもここで調整できます。ただ、信号待ちなどで乗ったままやるのは危ないので、ちゃんと降りてチェックできる状態でやって下さいね。
基本的にはこの調整ボルトで調整できるのですが、時計回りにいっぱいまで回しても好みの場所まで離れない場合や、反時計回りに回しすぎてスプリングが見える状態になってしまうとボルトが外れる危険性があるため、いったんブレーキワイヤーを解放して張り直す必要があります。
このボルトです。
ブレーキを軽く固定して、六角レンチで軽く緩めます。ワイヤーが動くようになります。
調整ボルトをのネジを回して真ん中あたりにしておきます。一旦いっぱいまで締めて(時計回りに回して、下の部分が出ている状態に)から、3回ほど反時計回りに回して戻しておきます。
ブレーキを握って、ブレーキワイヤーの先を軽く引いてたるみを取ります。先端のキャップを引くとすっぽ抜ける可能性があるのでワイヤーをつまんでください。
このとき、アウターワイヤーが調整ボルトの口からずれていないように気を付けてください。
この状態でボルトを締めてワイヤーを固定します。ブレーキを押さえている手がプルプルしますが我慢です(笑)
ここの固定が緩いとブレーキをかけたときに抜けてしまいます。しっかり締めてください。
調整ボルトを回して、間隔を調整します。ブレーキを握ってみて確認し、好みの幅になったら完了です。
最後にもう一度、ブレーキワイヤーの固定ボルトを締めておきましょう。
ブレーキシューの位置の調整
ブレーキ本体のボルトが緩んできてブレーキシューの位置や角度がずれてしまったときや、ホイールを買い換えてリムの高さが変わってしまった時などには、ブレーキシューの位置を調整しなければいけません。
このボルトを緩めることで、ブレーキシューを固定しているカートリッジを動かすことができます。
六角レンチで少しだけ緩めて動くようにします。ゆるゆるにしちゃうと作業しにくいので、少し動く程度に。
ブレーキレバーを引いてブレーキシューをリムに軽く押し付けた状態で作業した方がずれません。輪ゴムなどでブレーキを引いた状態で固定しておくと両手で作業することができます。
ブレーキシュー(を固定しているカートリッジ)を動かして、リムとタイヤの境目から1mm程度下に、境目と平行になるように位置を調整します。下に下がっているとシューの接触面積が小さくなるので制動力が下がりますし、上に寄っているとタイヤを傷めてしまいます。ブレーキシューが確実にリムに当たる場所に調整しましょう。
位置が決まったら、ボルトを締めなおしておきます。
なお、この作業の時に、シューの当たりかたを前後で変える「トーイン」という調整をすることができます。ブレーキをかけた時に「キー!」と鳴ってしまう場合の改善になります。(必須作業ではないので説明は割愛します。)
以上でブレーキの主な調整作業はおしまいです。ブレーキ自体のガタを取ったりする作業は素人には無理です。プロに頼みましょう。
今回使った道具)六角レンチ(別名「アーレンキー」)
携帯用の小さいものしか持っていないという方は、ぜひこの機会にL字型の長いアーレンキーを買っておきましょう。長い物を使えば大きな力をかけられますので、非力な女性には必須です。短い方をボルトに当てて長い方を握ることで大きな力を、長い方をボルトに当てて短い方を回すと早くクルクル回せます。
お勧めは、先端がボールポイントという球形になっているものです。ボルトに対して直角に入れなくても斜めからでも回すことができるので、フレームが邪魔になって長い方は入れられない場合でも斜めから作業できます。(ただしボルトの頭をなめてしまうことがあるので強い力をかける「締め終わり、緩め始め」は丸くない方を使います。)
長い物と短い物、両方あると便利です。長いものが入らないところもあるので。
基本ですが、回す時はしっかりと奥まで入れて強い力をかけます。穴の中が錆びたり汚れたりしてしまうと、奥まで入れることができなくなってしまいますので、最悪外せなくなってしまうこともあるのです。ドリンクや汗がかかる場所のボルトには特に注意して、ボルトの穴に錆止めを塗っておきましょう。
以上、ブレーキ編④でした。
実際に作業はしなくても、やり方を知っておくだけでも不安が一つ減ります。自分のバイクを見て、ボルトの場所などを確認するだけでもやっておきましょう。
最後、ブレーキワイヤー交換を解説してブレーキ編は終わりです。
工具はホームセンターなどではたくさんありすぎてかえって選びにくいことも。Amazonで評価の高い物を買ってしまうのも手です。
人気記事 「トライアスロンは痩せますか?」への答え
人気記事 社内にトライアスロン部・サークルがある会社【社長が部員な会社も!】
« ロードバイクのブレーキシューの交換方法&交換後の調整【画像で解説】 ロードバイクのブレーキワイヤーの交換方法 »