できる!クランクの交換(外し方・付け方)

バイクメンテナンス

女子サイクリスト、初心者さん向けに「仕組みから解説!」をコンセプトに連載しておりますバイクメンテシリーズ。今回はクランク編です。

みんながみんなクランク交換できる必要はないと思いますが、やり方を写真で見て「へ~こうやるんだ~。こんな道具がいるんだ~。」くらいに思ってもらえれば(^^)覚えてると掃除もできますし。でも交換自体は不安だったらショップに頼んでくださいね。



クランクの取り外し

メンテナンススタンドに立てて作業します。

固定されているのは左クランクだけです。左のクランク取り付けボルトをアーレンキーで緩めます。(ボルトを完全に取り外す必要はありません)

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クランク取り付け工具(最後に紹介してます)を使って

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前にはまっているキャップを緩めて外します。

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次に、この真ん中に埋まっている黒いプレートをマイナスドライバーなどで押し上げます。

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と、クランクが抜けるようになりますので。両手で少し力を入れて引っ張って下さい。スポッと抜けるはずです。

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前回掃除して取り付けてから1か月ほどしか乗ってないんですが、グリスが黒く汚れてますね。このように、地面からの汚れが付きやすい場所なので、できればマメにチェックしてあげたいところなのです。できそうだな、と思ったらぜひ挑戦してみてくださいね。

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反対側、右のクランクも抜いておきます。

なお、チェーンについては外さなくてもクランクの交換作業はできます。ただしクランク交換で歯数が変わる場合はチェーンの長さも変わりますので、このタイミングで外してチェーンも交換すべきでしょう。清掃だけなら下に落としておくだけでできます。

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右クランクを扱う時は軍手をしましょう。アウターの歯はとても鋭利で、簡単に手を切ってしまいます。

両手でしっかりつかみ、フレームに肘を当てるなどして、てこの力を使って前に引き抜きます。

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最初の固い部分が抜ければ、あとは丁寧にまっすぐ抜きます。

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長らくメンテしないでほっておいたバイクなど、グリスが固着してしまってなかなか抜けない可能性もあります。どなたかにフレームを持ってもらって引き抜いたり、軽くゴムの金づちで叩いて振動を与えながら抜いたりといったことをしないと微動だにしないことも。

なにをどうやっても抜けない時は、諦めてショップに持って行きましょう。クランク自体がゆがんでいる可能性もあります。

BB周りの汚れもなかなかのものです。地面に近いのでどうしても泥や異物が付着します。

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できればこのタイミングでBBも外して中を清掃したいところです。

今回は周りを綺麗にするだけにしておきました。パーツクリーナーをしみこませたウエスで丁寧にふき取ります。

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クランクの取り付け

では、今度は取り付けていきます。

今回はTIAGRAから、105への交換をしています。交換せず清掃して戻すだけでも同じ作業です。

右クランクの根元に黒い輪っかがついています。ここにグリスを薄く塗り広げておきます。

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落としておいたチェーンがBBにかかっているか確認して(クランクを挿した後にちゃんと歯にかけられる位置にあるか?)、まっすぐ奥まで押し込みます。

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これが固くて奥まで入らない場合があります。フレームを固定して押し込んでも奥まで入らない場合は、古い雑誌を何冊か重ねて、その上に右クランクを下にしてバイクを寝かせるように持ち、上から真っ直ぐ体重をかけて押し込むと入ると思います。(あまり乱暴にやらないでねw)

左クランクを着けましょう。中のネジ山や裏の黒の輪っかに、薄くグリスを塗り広げておきます。

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クランクを差し込みますが、

ちゃんと右クランクと左クランクがこの反対の位置になっていること。

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これダメねw変わり自転車みたいになってるからww

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この穴が上にある状態で作業します。この穴に、

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左クランクの上に埋まっていた黒いプレートの先についている小さなピンが入ることで、抜け防止になるのです。この二つが合わさった位置が正解。

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真っすぐ奥まで差し込み、黒のプレートを下に降ろしておきます。

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キャップのネジ山にもグリスを塗って、

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取り付け工具で右に回して固定しておきます。

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固定ボルトは、左右均等に力を入れて行ってください。片方だけ締めきってしまわないように。

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適正な締め付け強度というのがあります。ニュートンメートルという単位で、Nmとあらわします。自転車の部品それぞれに「推奨トルク〇Nm」などと書いてあるので見てみてください。

ここで女性には提案です。ぜひ、トルクレンチを買いましょう。多くの部品の締め付けに必要な力は、女性には足りません。力任せにやって頭が潰れてしまったり、逆に怖がって緩いままで乗っていると非常に危険です。トルクレンチを使って、正しい力で締め付けられれば安心ですよね?

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値段もセットもさまざま。これで5000円くらいです。安くはないですが、私はこれを買って安心して作業ができるようになりました。

使い方も簡単。適正値と書かれている値に合わせてから締めると、適正な力になったらガタン!と音がなって知らせてくれます。

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最後、余ったり付着したりしているグリスを丁寧にふき取り終了です。クランクを回してみてひっかかりや異音がないか確認しておきましょう。

今回使った工具です、アーレンキーのほかに、

クランク取り付け工具。300円くらいのものです。

トルクレンチ。クランク取り付けボルトの締め付けに使いました。他にもいろんなところに使います。男性にとっては「強く締めすぎてカーボンフレームを破損してしまわないように」慎重に作業をするために使うように見られている工具ですが、女性にとっては「ちゃんと締められているかの安心をくれる工具」だと思ってください。セットで一つ、ぜひ。

安い簡易のトルクレンチもあるのです。しかし、これはまさに男性が「締めすぎてないか」チェックする用途。強く締めることもできないので女性向ではないと思います。

以上、クランクの脱着作業を説明しました。

できるかどうか不安であれば、特にやらなくてもいい作業です。1年に1回、ショップに丸々頼んで清掃や整備をやってもらいましょう。クランクを交換したい、という欲求が出てきたら、自分で作業できるか検討してみてもいいかもしれませんね。

作業ができるようになれば、自転車パーツはネットで買うのが断然安いです。ここを読んで、できそうだな?と思ったら挑戦してみてください(^^)

乗車前に点検を忘れずに!有料で点検と調整だけやってもらうのもアリです。




バイクメンテ解説シリーズ

このカテゴリでは、ロードバイクの各パーツの取り扱い方について解説しています。
「こういう仕組みになっている」をまず理解してから進められるように書いていますので、触るの怖いな~な人でもまず読み物としてどうぞ(^^)

1-1.ブレーキ編:ブレーキの仕組みをみてみよう
1-2.ブレーキ編:よくあるブレーキのトラブルと対処方法
1-3.ブレーキ編:ブレーキシューを交換してみよう
1-4.ブレーキ編:ブレーキの調整方法を知っておこう
1-5.ブレーキ編:ブレーキワイヤーの交換に挑戦しよう

2-1.変速編:ディレイラーの仕組みをみてみよう
フロントディレイラー編
リアディレイラー編
2-2.変速編:よくあるディレイラーのトラブルと対処方法
2-3.変速編:ディレイラーの掃除と注油
2-4.変速編:ディレイラーの調整方法を知っておこう
リアディレイラー編
フロントディレイラー編
2-5.変速編:シフトワイヤーの交換に挑戦しよう(準備中)

3-1.スプロケットを取り外して取り付けてみよう
3-2.チェーンを交換してみよう(準備中)
3-3.CO2ボンベの使い方を覚えておこう(準備中)
3-4.ペダルの取り外し・取り付けをしてみよう
3-5.クランクの脱着と掃除の仕方を知っておこう
番外)知っておきたいクランクの基本キーワード

4-1.バイク輸送の方法いろいろとその比較
4-2.バイク輸送のケースの比較
4-3.バイクをバラして箱に詰めてみよう

六角レンチはちゃんとしたのを買いましょう。間違っても携帯用の小さいのとか100均のヌルいのでやっちゃだめよ。

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